freeze
10
その様子を見て少し心が痛んだ。
ほら、ね。やっぱり私の能力は、ここでも異端なんだ。
それでも表情には出さないように努めているため、誰も気がつかない。
造形魔法しか使えないというのは真っ赤な嘘。
きっとそのことは学園の先生でも誰一人として知らないと思う。
ふと、棗と呼ばれる男子を見る。
(……無数の制御装置)
幼い頃から自分の能力には気付いていたから、成長と共に能力を制御出来るようになった私には必要のないもの。
…もしかしたら卒業まで気付かれずに過ごせるかもしれない。
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