幻愛夜想曲
2
「よっしゃ!」
動きを止めた凶徒に暁(アキ)が飛び出す。
「おいっ、油断するな」
しかし、制止を促す霧夜(キリヤ)の言葉にも止まらず剣を振り上げた暁に、凶徒は真正面から攻撃を放った。
「のわあっ!」
「暁先輩っ」
『防波』
しかし間一髪のところで玲(レイ)が凶徒の攻撃を打ち払う。
「まったく…何してんのよ。動きが制限されているだけで、攻撃は自由なのよ」
馬鹿にしたように言った沙紀(サキ)を、暁は軽く睨んだ。
「動きが止まったら、普通攻撃出来ないって思うだろ?」
「…ごめんなさい…次からは攻撃も制限します…」
「あ…いやっ、美猪のせいじゃないって!俺が悪いんだから!」
「そうよ!美猪ちゃんが謝る必要は全くないわ!」
シュンとうなだれて言った美猪に二人は慌てて否定する。
「いいえっ、私が悪い…ひゃっ」
「君達、僕の美猪を苛めるな」
そんな美猪を後ろから抱き締めると、霧夜は咎めるような目で二人を睨んだ。
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