白百合の憂い 二部
6
しばらくしていつまでもバスローブのままでいるわけにもいかない、と思った刹那は部屋のクローゼットを開いた
中には何枚かの着物と数本の帯があって、どれも女物だった
高杉が買ったのだろう、と心の隅で思いながら刹那はその中の1枚に手を伸ばした
白い生地にところどころ椿の花が装飾してある気品ある着物に袖を通し、青い帯を巻いた
「これでいいかな…うん、大丈夫」
それから朝から何も食べていないことに気付いて、刹那はそっと部屋を抜け出し、台所へ向かった
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