白百合の憂い 二部 1 「んっ…」 朝日が昇り切って数時間経過した頃 刹那は背伸びをしながら目を覚ました 「あれ…?高…?」 隣で寝ていた高杉の姿はなかった この生活が1カ月続いた 刹那も様子がおかしい事に気付き始めていた 高杉はなにをしているのかと聞いても、銀時や桂の事を聞いてもはぐらかしてばかりだった 窓の外を眺めても自分がかつていた場所とは風景が違っていた 昼間、高杉はいない間、彼女はその間部屋にいるか部屋の外へ出て誰かと話をしていた 夜になれば帰ってくるが何も言わず抱きしめて、ベッドで甘い言葉を囁いて抱くだけ 時折、着流しから乾いた血の匂いがした [次へ#] [戻る] |