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白百合の憂い 一部 ５ 「何度もおっしゃっているでしょう、私は攘夷活動などしておりません」 「いい加減口を割ったらどうですか？廃刀令の御時世に刀を差しているなど攘夷志士以外におられませんよ」 「!?」 優莉は驚きを隠せなかった 「先生が…!?」 「優莉、信じるな!!」 「!!高…でも」 「先生はまだ疑われているだけだ、先生がそんな事すると思うか？」 「…ううん、絶対ない!!」 「優莉、晋助、静かにしろ」 リーダーが言う 「まだなんか話してるみてーだ」 「刀を差しているから必ずしも攘夷志士とは限りませんよ」 「だったらあなたはこんなところで何をしておられる？村塾など開いて…攘夷志士を生むだけだと幕府は言っておられるが…」 「あの子らは 私の子供達です」 「!!」 優莉達はお互いを見合った 「私を疑うのは構いませんが…あの子らまで疑うのはやめてほしい。あの子らを護るためなら私は何でもしますからね」 松陽先生の低い声が響いた 少しばかり怒りが混ざっている 「さぁもう何もないことは分かったでしょう、御引き取り下さい」 「…わかりました、今日の所は帰りましょう」 話をしていたやつが立ち上がり、外へ出た 優莉達も裏口からそっと隠れて見た 「ただ あなたの疑いはまだ晴れていませんからね」 鋭い眼光に薄ら笑いをしたその人は黒いマントを靡かせ、去っていった ［*前へ］［次へ#］ [戻る]  |