赤い鳥籠 10 「…っ…」 叩かれた右頬が痛む 「刹那、お前いつになったら俺を見るんだ…」 「…離して!!」 バッと高杉の手を離し、万斉に抱きついた 「刹那殿…」 「私…高のところに戻りたくないです…!!」 ぎゅうっと力を込めて抱きついた 「刹那…退け」 怖いくらい高杉の声が低い 刹那は身体を強張らせたが一歩も引かない 「退けっつーのが聞こえねぇのか?」 「嫌だ…!!」 「…万斉がどうなってもいいのか?」 「!?」 高杉の言葉に身が凍りつくような感覚に陥る 「晋助…!!」 「万斉、刹那から離れろ」 「晋助…お主刹那殿の心を利用しているのでござるな。刹那殿は関係ない人を傷つけることを嫌う…!!晋助…そこまでして刹那殿を縛りたいのか…?」 「刹那は俺のものだ…刹那…退け、万斉がどうなってもいいのか?」 「仲間を売るなんて…!!何でそんな非道なことができるの…?」 「そんなんじゃねーよ、お前が退けばいいだろ?なァ…」 「……」 後に引けない すべての覚悟の上で刹那は万斉から離れた [*前へ][次へ#] [戻る] |