赤い鳥籠
6
寝息が整っていく刹那を見つめる
完全に眠ったらしい
「刹那…愛してる」
言葉はどこか上の空で、誰にも聞かれることなく響き渡る
「…また来るからな」
俺はゆっくり立ち上がり、刹那が眠る牢を出た
「…んっ」
刹那の唸り声が聞こえた
そして次の言葉に俺は脚を止めた
「銀…」
俺以外の男の名前
そいつは俺も刹那もよく知る人物
しかし呼んだのは1人じゃなかった
「ヅ、ラ…た、つま…」
昔の夢でも見ているのだろうか
だけどそれが許せなかった
「刹那…!!」
怒り
そこにあったのは哀しみと怒り
そして俺以外の男
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