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赤い鳥籠

「刹那、来いよ」


高に呼ばれて浴室に入る


高は既に浴槽の中にいた


来い、ということは浴槽に入れ、ということだ


身体に少し湯をかぶって浴槽に入る


温かい、ちょうどいい水温が身体を包む


久しぶりに風呂に入るのがこんなに嬉しいなんて思わなかった


「刹那」


呼ばれて顔を上げると高と目があった


私達は今向かい合わせ


何回も見た顔なのに胸が締め付けられる感覚になる


「もうちょっとこっち来い」


手招きされて高に近づく


「…何?」


高は何も言わずに私の頭を撫でた


途中からわしゃわしゃと泡の音がした


少しして私は高に頭を洗われているのだと気づいた


その時の高はとても優しくて、私を見る瞳が優しくて、ふわりと笑ってくれる


いつもの乱暴な高じゃない


優しくて自然と安心できる


私は高の頭に手を伸ばした


「どうした?」


その口調も優しかった


「私も…洗う?」


「…あァ、そうしてくれ」


それから私の頭に付いた泡を流してくれた


その後私は先程高がやってくれたことと同じことをした

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あきゅろす。
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