赤い鳥籠 5 「刹那殿は悪くない」 「……」 高杉は万斉を睨みつけた 「刹那殿はいつでも晋助を見ている…ただ他の人とも仲良くなりたいだけでござる」 「…俺以外の奴なんか目に映さなくていいんだよ、刹那は」 「晋助様…考えを改める気はないんスね」 「…どういう意味だ」 「だったらこちらにも考えがありますよ、晋助殿」 「考え?」 「刹那さんを解放するまで、私達はあなたの破壊交錯には参加しません」 「!?」 「私達は晋助様の命令には従わないっス」 「何言ってやがる、下剋上でもやるつもりか?」 「条件は簡単でござろう」 「…本気か…!?」 「当たり前です」 「自分らで出した答えっスよ。來は関係ないっス」 「晋助…先に言っておくぞ」 「なんだ」 「今この船にお主の味方は誰もおらぬ」 「!?」 「皆刹那殿に会いたがっている、それだけだ」 「…はっ!?ちょっと待てよ…刹那をあそこに閉じ込めるだけでそんな事になんのか…!?」 「そうです」 「晋助様、しばらく命令は聞きませんし、言葉も交わしません」 「悪いですが幕府を潰すなら1人でやってください」 「拙者らは考えを改める気はないでござる」 言い残して3人は振り返らずに廊下の奥へと足を進めた 高杉は仲間に見捨てられた感覚に陥り、廊下で立ちすくんでいた [*前へ][次へ#] [戻る] |