修羅の死神
6
「…!!」
「…食べよ」
そう言ってそいつは蔵に入って来て、私の隣に座った
「いらねぇよ」
「だって何も…」
「いらねぇっつってんだろ!!」
怒鳴ればそいつはビクッと肩を震わせた
それを見て少し罪悪感を感じた
「…食いたくても食えねェ」
「えっ…?」
「腕使えねぇから」
今の状況は身体と腕を後ろにまわされて縄で縛られていた
「食べさせる…!!」
「はっ?」
そしてそいつは握り飯を少しだけ取って私の口の前に運んできた
「食べよ…」
「……」
少し迷って口を開けて飯を食った
そいつは嬉しそうな顔をした
その笑顔が眩しかった
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