修羅の死神
2
「ねぇ聞いた?」
「何が?」
「いぶきまた逆らったらしいよ」
「ホントよく逆らえるよね、あの子も」
「怖いよ、あの赤目」
「……」
自分の悪口を言う奴隷仲間
いぶきはそれを睨んだ
「あっ!!」
「行こ行こ」
それに気付いた他の仲間は去っていった
「…ふん、愚痴言うなら本人を前に言えっつーの。んな度胸もねーのかよ」
いぶきはある金持ち企業の雑用係
雑用係というより奴隷と言った方が近いかもしれない
奴隷には子供が多いが、実際に飯なんかろくにもらえず、失敗すれば暴力
「…くだらない」
いぶきはその中でも特に目をつけられている
さまざまなところの人身売買を繰り返し、今のところに辿り着いた
しかし主人に逆らうことから同じ奴隷仲間からも見放された
今もそうだった
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