修羅の死神
4
ガラッ
「!!」
起きる気にもなれなくて、床にずっとうつ伏せになっていれば、誰かが戸を開けてやってきた
「…お義姉ちゃん」
「優生…アンタここきたらいつか私と同じ目にあうよ」
「いい…大丈夫…」
「…そう」
優生はいぶきを起こし、隣に座った
「…なぁ優生」
「何?」
「私達は…人間(ヒト)か?」
「…?」
優生は意味がよくわからなかったのか、首を傾げた
「私は…いつになったらここから解放されるんだろう…」
「…わかんないよ」
「私達は…人間(ヒト)になれるのか?」
「人間(ヒト)に…」
「何で同じ形なのに…同じ言葉喋るのに…同じように動くのに…私は人間(ヒト)になれないんだろう」
「…そんな事考えた事なかった」
「……」
「…でもお義姉ちゃんは人間(ヒト)だよ」
「!!」
「1人ぽっちだった私とずっと一緒にいてくれる…私から話しかけたのに…嫌な顔しないでいてくれる…護ってくれる…それだけで充分なんだよ…」
「優生…」
「ねぇだから…そんな悲しい事言わないで…!!」
そう言って優生は大きな茶色の瞳から大粒の涙を流した
「…ごめん」
いぶきは必死に慰めた
「(自分の為に泣いてくれる奴なんて…誰もいなかった)」
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