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修羅の死神

ガラッ

「!!」

起きる気にもなれなくて、床にずっとうつ伏せになっていれば、誰かが戸を開けてやってきた

「…お義姉ちゃん」

「優生…アンタここきたらいつか私と同じ目にあうよ」

「いい…大丈夫…」

「…そう」

優生はいぶきを起こし、隣に座った

「…なぁ優生」

「何?」

「私達は…人間(ヒト)か?」

「…?」

優生は意味がよくわからなかったのか、首を傾げた

「私は…いつになったらここから解放されるんだろう…」

「…わかんないよ」

「私達は…人間(ヒト)になれるのか?」

「人間(ヒト)に…」

「何で同じ形なのに…同じ言葉喋るのに…同じように動くのに…私は人間(ヒト)になれないんだろう」

「…そんな事考えた事なかった」

「……」

「…でもお義姉ちゃんは人間(ヒト)だよ」

「!!」

「1人ぽっちだった私とずっと一緒にいてくれる…私から話しかけたのに…嫌な顔しないでいてくれる…護ってくれる…それだけで充分なんだよ…」

「優生…」

「ねぇだから…そんな悲しい事言わないで…!!」

そう言って優生は大きな茶色の瞳から大粒の涙を流した

「…ごめん」

いぶきは必死に慰めた









「(自分の為に泣いてくれる奴なんて…誰もいなかった)」

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あきゅろす。
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