月明かりの狂気
10
「刹那…そこにいろ」
高杉は立ち上がり、刀を抜いた
「その刀…」
高杉の腰にささる刀はかつて刹那が使っていた刀だった
受け継いでくれたんだ
私の魂を
「來…てめェに刹那は渡さねェ」
「ふ〜ん」
來は余裕の表情で、愛用の手錠をクルクルと回していた
「刹那ちゃん護ろうとするなんて随分必死だねぇ〜鬼兵隊総督ともあろう御方が」
「何を護ろうが自由だ。俺は護るものなんざ何もねェと思ってたがな…こいつが…刹那がいれば…俺はいい」
「……」
刹那は高杉の本音を聞いたような気がした
「でもさぁ〜高杉は僕を斬れないよねぇ〜」
「…!!」
「高杉は僕を斬れない理由がある。だから刹那ちゃんは護れないよ」
「今は…関係ねェ!!」
高杉は來に斬りかかった
しかし
簡単にかわされてしまった
「剣に迷いがあるねぇ…てかさぁ
誰のおかげで刹那ちゃんかえってきたと思ってんの?」
バキィッ
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