月明かりの狂気
2
しばらくぼーっとしていた頭を覚醒させ、ベッドから降りようとした時だった
刹那は、はーっと溜め息が出る
「…高、起きてる?」
「……」
「寝たふりしたって無理だよ」
「ちっ…可愛くねェ」
怠そうに高杉は身体を起こした
「ごめんね、可愛くなくて。高と何年一緒にいると思ってんの?」
「…行くな」
「えっ?」
突然刹那の腕を引き、自分の胸へと顔を埋めさせる
「…!?」
「頼むから…ここからいなくなるな」
「…ここにいろって事?」
「あァ」
「…高、私は」
言いたい事があるのに、言えない
抱きしめる腕の力が強くなった
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