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月明かりの狂気

少しして刹那は神楽の肩から刀を抜いた

瞬間に血が吹き出し、刹那の顔を紅く染める

もう一度刀を振り上げ、突き刺そうとした瞬間





「あ〜あ、派手に暴れたねぇ」


頭上から間の抜けた声が響いた


「!?」

刹那は刀を振り上げたまま、ガタガタと震えだした
そこでようやく自我を取り戻した


「刹那?」

「……あっ……ら…來っ……!!」

「あれぇ?せっかく迎えに来てあげたのに、浮かない顔してるねぇ〜刹那ちゃん♪」

トンッと身軽にビルの上から來が降りてきた

「やっと見つけた♪」

「……やだっ…」

「(こいつが…刹那が恐れていた剥離來)」

「やだじゃあないよ、高杉がずっと探してるんだ。勝手に出てったからあのあと大変だったんだよ〜。ものすごい暴れるし、手のつけようがないんだ」

「それでも私は…」






「帰らねぇってかァ?刹那ァ」

「!?」

後ろから聞き覚えのある声が聞こえた

ゆっくり振り返るとそこには

「…高…!!」


高杉の姿があった


「よぉ随分遠くまで逃げたんだなァ、刹那」

「…私は」

その後は何も言えなかった

高杉は刹那を無理矢理立ち上がらせ、腹を殴った

「…っ!!」

そのまま刹那は意識を失った

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