月明かりの狂気
4
少しして刹那は神楽の肩から刀を抜いた
瞬間に血が吹き出し、刹那の顔を紅く染める
もう一度刀を振り上げ、突き刺そうとした瞬間
「あ〜あ、派手に暴れたねぇ」
頭上から間の抜けた声が響いた
「!?」
刹那は刀を振り上げたまま、ガタガタと震えだした
そこでようやく自我を取り戻した
「刹那?」
「……あっ……ら…來っ……!!」
「あれぇ?せっかく迎えに来てあげたのに、浮かない顔してるねぇ〜刹那ちゃん♪」
トンッと身軽にビルの上から來が降りてきた
「やっと見つけた♪」
「……やだっ…」
「(こいつが…刹那が恐れていた剥離來)」
「やだじゃあないよ、高杉がずっと探してるんだ。勝手に出てったからあのあと大変だったんだよ〜。ものすごい暴れるし、手のつけようがないんだ」
「それでも私は…」
「帰らねぇってかァ?刹那ァ」
「!?」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえた
ゆっくり振り返るとそこには
「…高…!!」
高杉の姿があった
「よぉ随分遠くまで逃げたんだなァ、刹那」
「…私は」
その後は何も言えなかった
高杉は刹那を無理矢理立ち上がらせ、腹を殴った
「…っ!!」
そのまま刹那は意識を失った
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