月明かりの狂気
9
「…!?」
高杉は目を見開いた
刹那の腕は震えていた
そして顔は涙で濡れていた
「…ごめん」
「!!」
「ごめんね…高…」
ゆっくりと刹那は言葉を紡いだ
「私…やっぱり……怖い…いつか…私…じゃ…なくなる…いつか…また…みんなを…襲う…」
「刹那!!もうしゃべんな!!」
「でも…」
「…?」
「でもね…私が…私で…いられた…のは……ゴホッ……はぁ…高が…いて…くれた…から…なんだよ…」
「…!!」
「どれだけ…身体を…乗っ取られ…ても……心を…消されて……も…これだけ…は……変わらない…」
刹那は高杉の頬に手を伸ばした
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