月明かりの狂気
9
「…刹那」
高杉は暴れる刹那を呆然と見つめていた
再び暴れだした刹那を止められる者はおらず、万事屋、鬼兵隊幹部以外の人間も巻き込んだ
「刹那…止めてくれ…!!」
「もう止まんないでしょ?」
「!!」
頭上から來の声がした
「高杉〜君は知らないと思うけどさぁ、刹那ちゃんが過呼吸起こしたの2回目じゃないんだよね〜」
「!?」
「ホントは高杉が見えないとこで何回も起こしてるんだよ。過呼吸の回数が増えれば、それだけ身体が紅桜に呑まれてる証拠♪多分君に心配かけさせない様に今まで黙ってたんだと思うよ〜」
「…刹那」
何で言わなかったんだ
刹那は…俺が嫌いだからか?
「ぐっ!!」
「うぁっ!!」
ドサドサと銀時と桂が飛ばされてきた
「…銀時、ヅラ…」
「高杉…立て」
「!!」
「お前が刹那を見てやんないでどうすんだよ」
「…っ刹那は…」
「お前らに刹那ちゃんを助けるのは無理だよ」
「「「!!」」」
「君らは刹那ちゃんと同じように攘夷戦争を戦った戦友だろ?」
「…戦友?」
「そうだよ!!不慮の事故で刹那ちゃんは死んだんでしょ?」
「……」
「人1人も護れない弱いやつなんかに救えるはずがない!!刹那ちゃんは僕のものなんだよ!!お前らはただの同士だろ?そんなやつらなんかに救えるはずがねぇんだよ!!」
「「「……」」」
3人の頭の中で、何かが音を立てて崩れた
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