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 Novel

━━ガタン ガタン…

他愛もない会話をしながら、次第に近付く海から匂う潮風に心踊らせる二人。
夜の闇で、見えはしないけれど、確実に海に来たのだという興奮が隠しきれず、いつになくはしゃいでいる。

━━次はぁ〜…次はぁ〜

車掌の声に反応し、電車を飛び降りる。

途中のコンビニで売り始めたばかりであろう花火を大量購入した。
━━こんなにいらないんじゃ?
というドンワンの思いをさとったのか、ミヌはにっこりしながら言った。
「こんぐらい必要になるんだってば☆」

さすがに5月、しかも既に夜中というだけあって、誰もいない砂浜に着くと、どちらともなく
「うぉーーー!!!」
そぅ叫びながら海に向かって駆け出した。
途中で靴を脱ぎ、ズボンをたくしあげ、バシャバシャと水遊びを始める。

「あはははは!」
「やっぱまだ冷てぇな!」

文句はたれても満足そうに笑う。

水からあがり、砂浜にあがるとゴロリと寝転んだ。
夜空に散りばめられた星を見ながら、電車の音を聞きながら。

でも、今はミヌが隣にいてくれている。

━━本当に、

ありがとう…。

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あきゅろす。
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