Novel
3
不思議に思いながらミヌを見ると、少しだけバツが悪そうに、にやっと笑う。
その顔を見て真意がよみとれた…。
━━あぁ、俺が元気ないって分かってたのか。
ミヌのさりげない優しさに触れ、ドンワンの頬はほころんでいった。
「みんぼん、いい奴だなぁ〜ッ!!」
満面の笑みで、ギューッとミヌを抱き締める。
いつもなら嫌がって、全力で抵抗するくせに、こういう時だけは別。
いつもの調子を取り戻したドンワンに、人懐こい笑顔でこたえていた。
「ほら、そろそろ電車出るぞー」
そぅ言うとミヌは駅に向かって歩き出した。
「ドンワン、電車好きだもんなぁ〜☆ぉら、早く来ないと置いてくぞぉ」
足取り軽く歩いていくミヌの背中を見つめながら、彼の口から 電車 という言葉が出たのに驚いた。
━━そこまで知っていてくれたのか…
ミヌの友情に、この愛しさに嬉しくなりがら、小走りで駆け出した。
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