Novel
1
━━夜、家の近くを通る電車の音を聞きながら、夕涼みするのが好きだ
いつもはにこにこ笑って、おもしろいことを言って、周囲を和ませるのが俺の役目。
だけど、たまには落ち込んで、へこんでしまうこともある。
人前では決して出さない…だけど秘かに…でも心の奥底に、ずっしりと重いモノがのしかかることがあるんだ。
世界から自分一人だけが取り残されたような気分になった時、俺を落ち着かせてくれるのが、
電車の音。
━━もぅ、誰もいないんじゃないだろうか…
そぅ考えている時に、まだ誰かが起きている、そんなふうに思えるから…。
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