初恋(大人向けBL)完結 1 ……あ――――、触りてぇ。 あの白いうなじにかぶりつきてぇ。 俺の部屋呼んで、甘い言葉ささやいてその気にさして……、制服まるごと脱がしてエロいことしまくって………。 「うわぁ。優〜、ごめんっ。俺、昨日の宿題ノート、家に忘れて来たみたい」 「……あー? んん、俺の見せちゃる」 ううっわ、ヤベぇ。視線、危うく気付かれるトコだった。 「うん……。そうしよか……けど提出しろって言われたら……困る。俺やっぱ取りに、帰ろうかな?」 「んなことイイから前向いて歩きな」 そうだ、振り向くな。今お前の尻ガン見してえげつねえ妄想してんだから。 そんなトコばっちし見られて「どこ見てんの」とか聞かれても答えらんねぇし。 普通にエロいし、変態じゃん、俺? 「……ねえ、なんでいっつも優は俺に前を歩かせるんだよ?」 それは祥汰を妄想でめちゃくちゃにし……「危なっかしいから後ろから見張ってやってんだよ」 「俺、たまには並んで歩きたいのに」 ぐはあっ!!んな可愛いこと言うなっ。下半身に悪……「祥汰が大きくなったらな」 「ンウ。俺だって同い年なのに。もう、高校一年なのに」 うわ、口尖らしてるとこ、マジ可愛いwww ありえんっwwww あの唇に吸い付きty……「バカ。そーゆー問題じゃねえ。お前はまだまだ気がおけねえってこと」 本当は、今からでも人気のないトコに連れ込んで、おもっきし抱きしめてキスしてぇ。 お前の唇舐めて、吸い上げてやって、好きなだけ乳首弄(もてあそ)んでやったら、コイツはどんな顔すんだろう。 この際変態とか罵られてもいいから、襲っちまいたい。 ……あー、ヤベぇ、マジびょーきだわ、俺――――。 クソ……。こんな事考えてんのバレたら、絶対祥汰に嫌われる。 それは、嫌だ。立ち直れねぇし。 無理。お前の傍にいられねぇとか、絶対無理。 「優、今日も友達と遊ぶの?」 「まぁな」 俺はお前以外は眼中にナイ。興味もナイ。ケド、仕方ナイ。 「俺、今日も一人で帰る?」 「ああ、悪ぃな」 「…………寂しい」 お前が悪ぃんだよ。 祥汰が可愛いから。 祥汰が可愛くて男にモテるから、タチが悪い。 先週は同クラの加藤が祥汰が可愛いとか言いやがって、んで、焦ってメモリに入ってた女紹介したし。 そしたら今度は二組の江戸川が「三浦ってマジ、可愛くね?」とか言いだしやがって……! ライバルができる度にソイツら誘って女連れて街で遊んで……、 持ち帰らせるよう仕向けてきた。 結果的にあいつらの目が祥汰から逸れるように。 すぐにライバルを追っ払えるようにと、街中にパイプも作って回った。 んなことしてると祥汰と居られる時間が減って、俺は俺で遊び人とか、女好きとかってレッテルまで張られちまってるし最悪。 「なあ。今夜、一緒に寝てもいいか? 親父さん、帰ってくんの?」 「――――しらない。けど、誰もいないと思う」 「そうか」 祥汰んちは、両親の離婚が決まってから、さらに家庭内が冷え切ってるらしい。 もともと片親だった俺とは違って、今まで普通に暮らしてた家族が居なくなる寂しさってのは、どんな理由にせよ、子供の心を傷つけるもんなんだ。 「部屋の窓、開けとけよ」 今夜、夜這いに行ってやる。 一回風呂場で抜いたあとでな。 「うん……」 ムギュ。 って、祥汰が抱きついて来た。 う、うおぉぉっ! ヤバ、激ヤバ。 密着しすぎだっつのっっ。 「待ってるから、俺。優が来るまで、ずっと起きてる」 ヤバい。可愛い。 ―――――抱きてえ。 「寝冷えすんなよ。眠かったら休め。ほんじゃ、また後で」 ―――――めちゃくちゃに、抱きてえ。 祥汰の中、入りてぇな……。 やっぱ今日、付き合いやめよっかな。 今夜、祥汰んちに誰もいないんなら、学校帰ってからずっといちゃこらできんじゃ……、 「おー水鳥おはよ」 「……ああ」 誰だっけコイツ。 「いいなあ毎日三浦と登校できて、ウラヤマ〜」 ああ、同クラの川ナントカだっけ。たしか祥汰の後ろの席に居た奴。 「……てか、三浦、今日寝グセついてんのな。なんか可愛ええ。 最近思うんやけど、アイツっていい匂いするし、なんか普通の女子より可愛いくね? お前、どう思う?こんな俺って変かな。三浦って彼女とかいんの?」 「は、知んねぇし」 お前もか。 ざけんなよ……、川ナントカ。 祥汰は、俺のだ。俺の、祥汰だ。 「てか川……ちん、今日の帰り、みんなで遊びにいかね? 4:3で女子と俺らと遊ぶことになってんだけど……」 「おー、いくいくー」 そんなこんなで今日も遊びに行くハメになった俺。 不幸すぎる。 END |