親友のキスが忘れられんくて、好きになってしまった///
6
隼人、何か怒ってるっぽい。
玄関開けた時から顔が笑ってなくて怖いし。
「おかえり」
「ただいま?て、ここ俺の家やし」
「帰って来んの遅かったな」
無視かよ。
「あ――……、マックに中学の友達が来てて。盛り上がりすぎてヤバかった」
「ふーん。……どんな奴らなん?」
「は?」
「男?女?」
「男やけど」
「へぇ」
「何よ?」
「別に」
隼人が何を聞きたいんか、何を怒ってるんかもさっぱり分からん。
「隼人も一緒に来れば良かったやん?」
「……やな」
マック誘って、行かないって言ったの隼人の方やのに。
「次は俺も、一緒に行こうかな。友哉って危なっかしくて心配やし」
……心配。
「俺、お前に一人やったら何もできん子って思われてんの?」
なんか、ムカツク。
「ばぁか。そういう意味だって」
「ば……っ!?子供やないから、俺!」
隼人ほどじゃないけど、背丈も普通の男子並みにある。
中学まで運動部やったし。やけど、母親似の顔だけはどうしようもなくて。
高校入っても、女子らから『可愛い』って言われる。
口には出さないけど、年齢より幼く見える所とか、結構気にしてる。
「で、合コンいつなん?」
隼人はハイハイって軽いノリで頭を撫でた。
それがもっとムカツクんじゃボケ。
「……別にお前に言う必要無いし」
「今週の日曜なんやろ?」
「……は」
「さっき織田にメールした」
「……知ってんなら聞くなや」
俺、完全に隼人に遊ばれてる。
「怒った?友哉?」
「……別に」
「ゆーやぁー?」
「別に言うてるやん」
……何か今日の隼人、ガチでムカツク。
「ゆー……」
「何なんお前!?さっきから突っかかって来てマジウザい。俺、お前に何かしたん?」
子ども扱いした言い方で顔覗き込まれて、ブチ切れた。
隼人の胸倉掴んではり倒してやろうって思ったのに逆に腕を掴まれてしまう。
「……っ離せや!」
叫びながら、力任せに押し倒された。自分から掴み掛かっといて、簡単に負けてるトコがホント悔しい。
「三時間、ずっと待ってた」
「――は!?」
なんで、隼人には何一つ叶わないんやろ。
そんな事ばっか考えてたから、隼人の言葉は本当に唐突やった。
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