親友のキスが忘れられんくて、好きになってしまった///
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寝てるとき、隣で隼人がゴソゴソ動いてるんで、熟睡できんくて、なんとなく起きてる感じやった。
「ん……」
「友哉―。起きとんのー?」
呼ばてるの分かったけど、わざと返事返さんかった。
ずっと抱きしめられたまま寝てたみたいで、少し暑い。
「友哉?」
「………」
俺がずっと無視してたら、隼人の息遣いが近くで聴こえた。
それから口に、なんかあたった。
柔らかい、少しサラッとした感じの感触やったと思う。
それが隼人からのキスやって、しばらくしてから気付いた。
「好きよ、俺も」
必死で寝てるフリ通したけど、尋常じゃなく瞼が震えてた。
やけど、今更起きれんし。
……て思ったら隼人の口が離れて行って、
「俺も、お前が好きよ」
多分、俺の寝顔見てたんかな。
しばらくしたら、そう言ってまたキスされた。
「冗談キツすぎるやろ」って笑い飛ばして起きてやろうかと思った。けど、どうしてもできんくて。
なんか、全部が隼人の悪い冗談としか思えんくて……。
抱きしめられながら、泣きそうになった。
それからはずっと眠れんくなって、次の日普通に「おはよう」って挨拶交わして、解散。
***
一週間、特に音沙汰なく過ぎて行ったと思う。
隼人の俺への態度とかも全然変わらんくて、やっぱ普通に抱きついてきたり頭撫でられたりされる。
クラスメイトの見てる中で平気でしてくるから、多分、普通にスキンシップやと思う。
「聞いたでー、また合コンするんやって?」
朝のHR直後、いつもと変わらない様子で、隼人が俺の前の席から言って来た。
「お前は彼女持ちやから、来んなよ」
「何それ。結構真剣やん?」
あれから、隼人の恋バナを聞く事が多くなった。
昨日は街に行ったとか、高島屋の観覧車に二人で乗って来たとか。
「お前の恋バナ聞きよったら、俺も彼女欲しくなったん」
「は、マジに言いよんの」
「そうよ?」
聞くたび、俺はめっちゃみじめになる。
男が好きって時点で、報われん恋なんやなあって、思い知らされる。
好きでも、諦めな、仕方ないやん。
「気になる子いたら、メールするけん」
合コンどこですんのか、しきりに聞かれたけど、はぐらかした。
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