REN†ALーれんたるー(完結) 8 一体自分の体に何が起きているのか。 おしっこする時はなんとも感じないのに……。 上條が有紗の股間をぎゅっと握って撫で摩ると、いてもたってもいられない位、モヤモヤぞわぞわとアソコが強い快感を覚えて来るのだ。 「は……っ!」 息が出来なくなる。 自分の股間はムックリと膨らんでいる。 それを、もっと刺激させるように上條の手が包み込み、布ごしに竿から先端あたりを何度も擦ってくる。 腰をクネらせる。 ……と、握る手の力がもっと強くなった。先端から何かが溢れ出る。 「あっあっ……だめ!」 何かが出てる……! 息があがる。 ギュッと目をつむり、自分ではどうにもならない快感に耐える……。 「あーちゃん、かーいぃね」 猫撫で声が耳元でささやかれた時だった。 「ああ、社長お疲れ様です……。実は、少し困った事になりまして……」 「………」 自分達以外の誰かの声が、階段を登る足音と一緒に近づいてきた。 母性的な柔い余韻を持つ男の声だった。 語尾まではっきりと丁寧に刻まれる音色には、十二分に聞き覚えがあった。 (パパさん……?) そう、まさしくそれは雨宮の声によく似ているのだ。 「あ……」 咄嗟に思い出したのは昨日の約束―――。 生徒会室を出た所で出くわし、問い詰められた時誓った。 もう二度と、関わらないと……。 「うわあ!!」 「えっ!?おわっ!!」 上條朔夜にもう絶対近付かないと、雨宮に約束したことを。 今になり突然思い出した。 体は無意識に飛び跳ねた。 覆いかぶさっていた上條の体を突き飛ばす。 全くの無防備だったのか、あっさり体は斜めに揺れて転がった。 何が起こったのか、まるで事態が読み込めない表情で有沙を見上げる。 「ご……、ごめんなさいっ。僕やっぱり……ごめんなさい!」 それからは、ただひたすら来た道を走って逃げた。 階段を下りると、携帯片手の雨宮と鉢合わせした。 有沙も雨宮も、みるみる血相が変わる。「トイレに行ってたら迷子になっちゃって……」と苦し紛れに嘘を吐いた。 雨宮の反応は見ず、全力疾走で階段を駆け下りて行った。 [*前へ] |