Short story
我侭
お前の嫌なところ？
……たくさんあるよ。
時間にルーズだろ。
俺いつもどれだけ待たされるんだ？とか。
そのくせ何故か逆ギレされる。
『お前、待ち合わせの時間はやすぎんだよ！』
朝10時のどこがなんだか。
掃除が嫌いで。
おまけに、俺が片付けた後から散らかしていく。
綺麗すぎるのは落ち着かないとか言いながら。
せめて月一回でもいいから、掃除機かけるの手伝ってくれよ。
好き嫌いも多い。
そのうえ文句が多いところとか。
味が薄いだの、にんじんが入ってるだの…。
俺の作ったものを素直においしいって言わないところなんかも。
俺ってデリケートだし、とかなんとか。
枕が替わると眠れないとか、そう言って。
それって結局、俺の腕枕がいいってことだろ？
素直にそう言えっつーの。
まあ、でも。
俺がかまってやらないとすぐに拗ねて。
でも天邪鬼だから素直にいえなくて。
顔を赤くしながら、俺の服の裾掴んで見上げてくるところなんかはもう、すごくすごくカワイイし。
たまに、本当にたまになんだけど。
得意でもないのに、がんばって俺の好きな料理作って待っててくれるところなんかは。
俺って幸せ者だなぁと思うし。
ああ、そうそう。
アノ時のお前は、かなり好きだね。
感じてるのに、唇かんで声かみ殺すのとか。
んで俺がお前の口に指突っ込んで、否が応でも喘がせるときの、上気した顔とか。
俺のこと睨むんだけど、快感に潤んだ瞳じゃぁ、逆効果でしょ。
どうせ最後には俺のこと求めて来るんだし？
気の強いお前を、泣かせることができるのは俺だけだっつーのが、またイイ。
俺だけしか見れないお前がいることも、事実だし。
酔うと輪をかけてエロくなるところなんかは。
もうね、愛しいとさえ思ってるから。
だから安心してろ。
嫌だなってところも含めて、俺はお前のこと愛してるって。
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