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願わくば一つの愛を…。
俺の母親は破天荒!?
無事、中学も卒業でき
明後日には高校生となり、新しい学校生活が始まろうとしていた時…。

それは、起きた…。


まさかの母さんのたった一言の言葉と一通の封筒

これが俺の高校生活を狂わすカギだったとは誰がこの時思うか…。





「……羅…聖羅っ!…おい!コラぁあ起きろ!」

朝一番…。
一人の少年の頭に鉄拳が落ちました。

皆様おはようございます。

紫月 聖羅
つい前月までは中学3年で受験やら進路で色々悩んでいたのですが…。

今の悩みは…。
我が家の母の拳骨
これをなんとかしてほしいということです。

「ったく…朝は本当に弱いんだな…本当にこんなんで高校大丈夫かよ…」

呆れた眼差しを向け溜息をつく我が家最強の母・抄華

「大丈夫だよ。母さん俺が居るから♪ねっ?聖羅♪」

何が大丈夫なのか…。
そして、何がねっ?なのか…。
今の覚醒しきってない頭では理解不能だ。

母さんは可愛い名前のわりに中身(性格面)が男
まさにぱぱさんな訳で元ヤンと間違えられます。
顔はかなり美人さんなんだけどね…

俺は、一旦洗面所に行き顔を洗い
再び戻って来ると何やら母さんと羅紀が話していた。

「羅紀、なんの話?」
「えっ!?まだ言ってないの?」
「そうだったか?」

驚く羅紀と顎に指を当て首を傾げる母
いつもながら大雑把な性格は変わらない

「ねぇ、だから何?」
「あぁ、そうそう。うち明後日から海外行くから羅紀のこと宜しくな」
「うんうん。兄弟仲良く2人暮し…えぇぇえ!?なんで!?俺、明後日から学校だよ?頑張って勉強したのに…」
「相変わらず反応が遅いな〜理解するのに5分は掛かってるよ…」

ガックリと肩を落とす俺とは正反対に羅紀は時計を見ながら溜息ついてる。

いや、待てこの場で正しいのは俺だろ?
だってその話聞いてなかったし!
例え俺がただ聞いてなかったとしてももう一度言うのが普通でしょ!?

なんで今の今まで言ってくれなかったんだ!

「不満そうだな?なんか文句あんなら言ってみろ」

言ってみろって…。
そりゃあ、ありますよ!
このままはい、そうですか…。なんて出来るわけないでしょうが!!

明後日だよ!?
もう学校が始まるの!
あんだけ苦手な勉強を頑張って羅紀にも教えてもらって受験して、受かって…。

そりゃあもう、今までにないぐらい努力をしたのに…。

うちの母親はそれを無惨にもバッサリと切り捨ててくれたよ…。

もう色々言いたいことありすぎて何から言えばいいのか…。

とりあえず……。

「もう少し早く言ってよ……。」
「言ったところでなんも変わらないだろ」
「いやいや、学校…。」

もう、いや…。
誰か母さんに言って下さい。
少しは考えてと。
そして、先程からお茶を啜りのほほんと俺と母さんの話を聞いてる羅紀に……。

少しは助け船を出せ!と

「………。」
「?、なに?」

俺の視線に気付いた羅紀がこれまた可愛らしく小首を傾げる

…コノヤロッ!
どうしてコイツはこんなに可愛いんだ!
しかも、コップを軽く持って小首を傾げるって……。

あ、ちなみに自他とも認めるブラコンです。
って何のカミングアウトしてんだろ??

「いや、なんか言うことは…。」
「言うこと?……頑張って兄さん♪」

コイツ…。
完全に他人事だな。
そこまでして母さんを敵に回したくないか

「学校のことなら心配ない。」
「なんで?」
「もう、入学手続きしといたから…。」

……え?!
今、なんて言った??

「入学手続き??」
「あぁ、だから明後日から櫻成高校へ行け」
「な〜んだそうか〜って!おいぃー!?何、勝手なことしてくれてんの!?」
「今度はノリツッコミ…。」

羅紀はつい先程飲み干してしまったコップにお茶を注ぎ、母と兄の攻防を静かに見守る。

「行くのはいいよ?いや、よくはないけどさ…。だけど、櫻成高校ってどこ?それに色々準備もあるでしょ?どうして先に言ってくれないの!」

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