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願わくば一つの愛を…。
4
俺の父さんは俺が小さい時に母さんと離婚をし、それから数年後…。

母さんは羅紀のお父さんである輝(ひかる)さんに会った。

母さんと輝さんは正式には結婚もしてないし、夫婦でもないけど…。
それでも二人は凄く愛し合ってたのは俺には分かった。

その時、羅紀はもう小4ぐらいだったか…。
この時から羅紀はすでに大人びてると言うか非常にしっかりとしていた。

だけど、その数年後…。
輝さんは事故で亡くなった。

その時から羅紀は正式なうちの子になった。

「いきなり、背後から突進する奴が居るか?」
「ん?俺??」

小首を傾げる仕草は何とも可愛いのだが、なんでそんなに清々しいんだ。

「だって〜。聖羅が無防備なのが悪いだよ。」
「いやいや、無防備だからってアタックはしちゃいけません!」
「えぇー。じゃ〜チョップは?」

そういう問題じゃない気がする…。

「ところでなんで此処に羅紀が居んの?」
「……今頃、聞く?」
「えっ?だって…」

俺は決して間違っていないはずだ。

「一緒に帰ろうと思って待ってたの。それじゃダメなわけ?」
「………。」

なに、なんなの!?
この子!!
可愛いんですけど?!
普段の羅紀はどちらかと言えばツンデレで言うと…。

ツンデレが100で例えると…。
ツン85%、デレ15%
並に低いのに今日は違うぞ

「なに、ニヤニヤしてんの?」
「いや、可愛いな〜っていたっ!」
「くだらないこと言ってないで行くよ」

後頭部を思いっきり叩かれ慌てて羅紀の跡を追う俺って……。
本当にお兄ちゃんなのか?

「ふ〜ん。じゃ、聖羅はとりあえずそこに行くんだ?」

家までの帰り道
羅紀に何で今日は遅かったのか聞かれ事情説明をし、今後のことを話している。

「まぁね。本当は学校なんか行かずにさ、働きたいんだけどね。」
「俺もそれ言ったら、怒られたっけ…」
「えっ!?」

ボツリと、呟く羅紀に俺は驚き思った以上の声を出してしまい。
羅紀にうるさいよ。と叩かれてしまった。

「いつから?」
「何が?」
「だからいつから思ってたの?」

あぁ…。という羅紀はどうやらだいぶ前から思ってたらしい。
変なところ血は繋がってないのに似てるよな…。とつくづく感心してしまう。

「でも、羅紀はちゃんと言った方がいいよ。」
「“羅紀”はってどういう意味?」
「いや、深い意味はなくてそのままの意味」

羅紀は俺なんかと違い
本当に色々とスゴイ
頭も良いし、何でも卒なく熟すし、とにかく俺なんかより羅紀にお金をすべて出してでもちゃんとした高校行かせてあげたい。

まぁ、この話をすると羅紀とは毎度お互い譲らず喧嘩するからあんまり話をしないんだけどね。

「あ〜あ〜。あともう少しで聖羅も卒業かぁ〜」
「卒業したって家に帰れば会えるじゃん」

分かってないな〜という羅紀にどういう意味という意味を込め視線を送ると、それは綺麗な笑顔を向けられ

「学校が毎日楽しいのは毎日、毎朝、帰りに聖羅をからかえるからに決まってんじゃん」
「……お前、俺の一瞬のトキメキ返せ」
「勝手に期待した聖羅が悪い」

本当にこの子はいつからこんな捻くれたのかしら?

「あ、ちなみにこんなことするのは聖羅だけだからね♪」

そんな嬉しそうに言わんでくれ…。













でも、その数日後―。
思いもしない出来事が起きそれがきっかけで大変なことになるなんて…。

この時の俺は思ってなかった……。

そう、俺の母は時折、いや、かなり破天荒だったのを忘れてた…。

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あきゅろす。
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