願わくば一つの愛を…。
2
皆様大変ですっ!!
俺こと紫月聖羅。
人生最大のピンチです!
何が大変かって?
そりゃね…。
「…待て!コラ!」
「殺す」
「いやいや、殺すって言われて待つ人なんか居ません!」
只今、俺は先程の不良さん達に追われてます。
何故追われてるかって?
まぁ、あれは自己だよ…。
…数分前。
「なに、無視してんだよ。」
「お前、新入生か?見たことないけど…。」
突然、話し掛けられ振り返ればかなり機嫌の悪い不良さんと不思議そうに見る不良さんとご対面
入学してそうそうトラブルは出来るだけ避けたい。
だから、俺は出来るだけことをを荒立てない様にすることにした。
「一応、初めてというか…。何と言うか…。」
「ふーん。」
先程初めて?と聞いて来た不良さんは何やら俺がそういうとジッーと俺のことを見出した。
しかも、上から下に何やら落ち着かない。
「あ、あの〜。俺に何か?」
「お前さ、ノンケ?」
「は?」
「だから、ノンケかって聞いてんの」
ノンケ??
ノンケって……。
何?
「おい、コイツ。本当に何も知らないらしいぞ?」
「ふーん。なら尚更いいじゃん」
先程から機嫌悪かった不良は俺のことを見て口の端を上げ笑い
もう一人の不良さんは何やらニヤリッと笑い
こちらににじり寄って来た。
そんな2人の様子を見てただ事ではないと判断した俺は咄嗟に逃げようとしたらこの2人とは別の不良さんに腕を捕まれた
アハハ…。
3人も居たのね…。
最悪じゃん…。
「何も逃げることないじゃん?」
「そうそう。俺達が道案内してあげるよ?」
絶対嘘だろ。
そういう意味を込めて睨みつけたら最初から機嫌が悪かった不良さんがそれを見てまた口の端を上げ笑った。
「…フジ。まつ。コイツは俺がヤる」
「へぇ〜珍しい。なっちゃんが興味もつなんて」
どうやらフジ、まつと言うのが俺の両脇に居る奴でなっちゃんと可愛らしい名前の方が先程から機嫌が悪かった不良さんらしい。
「とりあえず、あっちへ連れて行け」
「はいはい。本当に気に入ると手を出すのが早いんだから…」
「後で俺達にもヤらせろよ」
何やら知らないが話が勝手に進んでいく…。
今の状況は頭の悪い俺でも分かる……。
ヤバい……。
非常にヤバい。
でも、入学初日にトラブルは起こしたくない。
でも、そうしなければ色々と俺の身が危ない。
あの数分の会話を聞いたら理解はした。
何やらあまりいい会話ではないと。
トラブルだとかそんなこと言ってられない。
「大丈夫大丈夫。そんなに怯えなくても痛いことはしないから…そのかわりすごくイイこと教えてあげるからさ」
「!!?」
次の瞬間。
いきなり、後ろから身動きが取れない様に羽交い締めされ、しかも口も塞がれた。
「うぅー!!」
「暴れるなよ。痛い思いしたくなかったら」
「うぅー!!」
ふざけんな!
何が痛い思いしたくなかったらだよ!
大人しく言うこと聞いた方が危ないわ!
俺は、暴れに暴れまくり、ちょうど後ろのまつと呼ばれた不良の高さだと蹴りを入れれば脛に当たる為もしかしたら…。と思い
勢いよく後ろに蹴りを入れたところ
クリーンヒット★
「まつ!?この!」
まつと呼ばれた不良は相当痛かったのか俺から離れた場所で歯を喰いしばり、それを見てたなっちゃんとフジという人が襲い掛かってきた。
とにかく捕まる訳いかない為に俺は近くに落ちてた太めの枝を掴み投げた。
そしたら、なんと驚き
偶然にもそれが当たってしまった。
なっちゃんに……。
「……テメェ。」
腹の底からとはこの事かと一人場違いなこと考える聖羅
「ご、ごめん。わざとじゃないから…。」
だから、許してと言おうと思ったがやめた。
目がね…。
ヤバかったから…。
だから、俺は脱出の如く逃げ出した。
そりゃあもう猛ダッシュで…。
これが、冒頭に出てきた追いかけっこの理由…。
(…し、しつこい…。)
逃げ回ってれば諦めるかと思ったら思いのほか執念深い不良さん達
しかも、何人かの生徒とすれ違ってるのに誰も見て見ぬフリ
……何、ここ。
ヒドくない?
そりゃ分かるけどさ…。
あからさまに目が合ったのに無視されたよ!?
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