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願わくば一つの愛を…。
此処はどこですか?
道の両脇に添って綺麗に植えられた桜がこの時に合わせたかのように満開を迎えている。
春の暖かな日差し。
青く晴れ渡る空。
はらはらと舞い散る薄桃色の花弁。
そして、鮮やかな紅い飛沫。

上から徐々に視線を下ろしていけば次第に視界に入る穏やかではない光景
飛び散る血と怒声と罵詈雑言。
呻き声をあげ地に伏す男と拳を朱に染め追い討ちをかけるように相手を足蹴にする男。

「確かに気をつけた方がいいかも…」

俺はただただ目の前の光景に唖然とした。
いや、羅紀からは聞いていた。
だけど予想以上だった。
羅紀の忠告をもっと真面目に聞いて置けばとガクッと肩を落とし後悔をした。

「それにしても……広いな〜」

パンフレットでも他の高校に比べ大きい造りなのは分かっていたけど、やっぱりこうして目の前で見てみると、だいぶ違う
というか、これは学校なのか?
一つのお城にしか見えん広さだぞ?
そんな大きな学校とは似つかわしくない光景を横目にしながらとりあえず大きな門の下を通った。

入ったはいいけど、何処から入ればいいのかさっぱりわからない。
校門の下を抜けまず目に入ったのは噴水だった。
噴水を中心に十字路に道がある。

さて、ここからどう行けばいいのやら…。

「…おい。」
「??」
「お前だよ。お前…。」

お前と言われ辺りを見るが誰も居ない…。
もしかしなくても…、俺だったりする?
恐る恐る振り返るとよくある展開と言うべきか…。
2、3人の不良が立っていました…。

…うん。

此処は何処ですか?

俺の新しい高校生活…。

先行きが不安です!!


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