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「……朝比奈。
やっぱり、何も分かってないだろ?」

「……何が?」

「……お前、本当にバカだろ?」


呆れた顔する迅。
でも、流石に迅も言い過ぎだ。


「…迅ッ!朝比奈君に謝って…」

「…梓。」

「いくらなんでも言い過ぎだよ。
朝比奈君。ごめんね?」

「いや、今回は完全にこっちが悪いから謝る必要はない。
まぁ、バカ連呼は流石にとは思ったけど…」

「…それに関しては悪かったよ。
つい本音がな」

「迅」


ジッと睨めば迅は罰が悪そうに目を反らした。


「……犬」

「「は?」」

「犬?」


犬なんてどこも居ないけど…?
アキさんと迅は二人して朝比奈君を見つめた。
そして、朝比奈君は迅を見て一言


「お前、犬みたいだな。」


と、言った。

…うん。
多分。多分だけどね?
朝比奈君。バカバカ言われたの根に持ってたのかもしれない。

迅は額に青筋浮かべて震えてるしアキさんはと言えば頭を抱えた。
でも、迅には悪いけど…犬って気持ち分かる。
僕も実は昔から思ってたから…

「…とりあえずここは目立つから移動するか…二人はどうする?」

「……さっき俺が言ったこと」

「忘れてない。けど、俺達だってたまには食堂で食べたいのは事実だ。
周りの迷惑なのは分かってるが……」


困った顔して笑うアキさんに迅は気まずそうに後頭部を掻いて待ってろと言って何処か行ってしまった。



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