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「……なんか騒がしいね。」

「あ?」

「迅はどう思う?」


僕と迅は先程まで騒がしかったグランドを見た。


「何が?」

「朝比奈君達のこと」

「どうって従弟同士仲良いだけだろ?
まさか、梓まであの噂鵜呑みにしてるのか?」


呆れる迅に僕は首を振った。


「?…ならなんだよ?」

「……なんか羨ましいなって…」


僕はこうして見てることしか出来ないけど…
朝比奈君…あ、アキさんの方は無条件で朝比奈君の懐に入れる。さっきみたいに…


「……だぁああッ!」

「ひっ!」


いきなり、立ち上がり叫ぶ迅に僕はビックリした。


「男ならしゃんとしろ!
ウジウジ面倒臭い」

「しゃんとしろって無理だよ。」

「なら、諦めるか?」


それは…嫌だ。
ていうか、諦めつかないから困ってるんだけど…


「なら、頑張れよ。」

「頑張るって?」

「……あのたらしに振り向いてもらえる様にもう少しアピールするんだよ。」


た、たらし…。
迅って本当にズバッと言うよね。
この学校に朝比奈君をたらしって言えるのは恐らく世界中探しても迅だけだよ。
でも、それが迅らしくてだんだん元気が出てきた。


「そう…だね!
朝比奈君が少しでも僕の事を見てくれるようにアピールしなきゃね!」

「そうそう。その意気その意気」

「でもさ」

「なんだよ?今更怖じ気ついたのか?」

「ち、違うよ!」


怖じ気ついてなんかない。
でも…


「なら、なんだよ?」

「…どうしたらいいの?」

「何が?」

「アピールって具体的に…」

「さぁ?」

「………」


さぁって…
なんか迅らしくて良いけど…
僕、相談する相手間違えたかな?



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