9【アキ視点】
「へぇ、珍しいな。
あんな機嫌の悪い輝。」
「まぁ、あれは俺が悪いというか…」
「なんかあったのか?」
「まぁ、そんな感じだな。」
「アキでも分からないのか?」
木村の言葉になんて返せばいいのか悩んでいたら真田が俺を見て
「分かってても言えないから返答に困ってるんだろ?
それぐらい察しろよ。」
「いたっ!んなこと言ったって…」
流石、真田は鋭いな。
真田に頭を叩かれる木村を見て俺は思わず苦笑した。
「相変わらず、アキはスゴいよな。
俺は輝が何を考えてるか未だにわかんねぇからな」
「そうか?
アイツは案外、分かりやすいけどな」
「それは従弟だからだろ?な?」
真田に同意を求める木村に対して真田は首を横に振った。
「輝は何だかんだ分かりやすい。
というかあからさまだ。」
「そうかぁ?」
恐らく、木村の言ってる事も真田の言ってる事も正解だ。
確かに輝はあからさまに分かりやすい時と俺でも時々分からなくなる時がある。
それに真田が鋭いだけで普段の輝の様子を見てたら木村の反応が正しい。
だから、むしろ真田がスゴいんだと俺は思う。
「…にしても、アキのアレは無自覚だったんだな?」
「アレ?」
「輝の頭を撫でたりするの」
木村に言われて俺は先程の事を思い返す
そんな頻繁にはしてないはずだけど…
「……まさかと思うけど、俺やってるのか?」
俺の質問に木村と真田が二人して頷くのわ見て俺は自分自身の行動に反省した。
昔から癖でよくやってたが…
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