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「お前ってバカでしょ?実は…」

「うるせぇ」

「今回ばかりは輝の言う通りだ。」

「そうだよッ!
なんであの人の所に一人で…」



朝比奈に続きアキと梓にまで言われて何も言い返せない。
確かに不注意だと思うが…
まさか、紅茶の中に薬……あ!


「……そういう事か…」

「どうしたの?」

「……会長にお礼言わなきゃな」

「えっ?なんでお礼?」


話がまったく読めてない梓に俺は笑ってなんでもないと返した。

紅茶。そうだ。
あん時、炭酸渡されたんだ。
多分、あん時だろうな。
あれ、誰だったかな?


「…なんか迅考え込んじゃったけど…」

「ていうかさ
アキも大変だよね。」

「?」

「こんな跳ねっ返りのじゃじゃ馬」

「……誰がじゃじゃ馬だ!」

「あれ?聞こえてたの?」


目の前で言われたら聞こえるって


「その点、梓は全然手が掛からなくて助かるよ。」

「//う、うん。」

「俺の目の前で梓に何かしたら、蹴り飛ばすからな」

「本当に可愛くないよね。
あの時の黒羽はどこいっちゃったのかね」


あの時の黒羽?
俺は意味が分からず朝比奈を見つめた。
そして、何故か隣に居たはずのアキが無言で朝比奈の所に向かった。


「で?なんで君はそんな般若の顔して俺の前に立ってるのかな?」

「一発、いや、何発か殴らせろ。」

「は?いやいや、意味が分かんない!」


どうやら二人の間に何かあったらしい。


「……どうしたんだろうね?」

「さぁな、ほっとけ」

「うん。でもさ
迅本当に気を付けてね?
なんか最近、増えてるから…」

「増えてる?」

「うん。なんかさ
迅。アキ君と付き合い出してからかな?
なんか色気?フェロモン?がスゴいから……」


その瞬間、俺とアキは固まり、朝比奈は腹を抱えて笑った。
今、俺はなんて言われた?
梓の口からフェロモン?


「……アキ。選手交代だ。
今度は俺がこいつを殺(や)る」

「いやいや、待て待て
な・ん・で!俺なの?」

「お前以外誰が居るんだ!」

「…安田。
あんまり、そういう事言うなよ?
分かったな?」

「?……うん。」


素直に頷く梓にアキは笑い梓の頭を撫でた。
そして、未だに自分の恋人に首を絞められてる従弟を見てやれやれと止めに入った。


そして、後日。
迅に媚薬の薬を飲ませた犯人を迅とアキで徹底的に懲らしめたのは別の話。






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