[携帯モード] [URL送信]
31


お母さんのうるさいのをお父さんがなんとかしてくれたみたいで私は無事ホグワーツに残ることが許された。許されたけど…胸はドキドキしっぱなし。何を考えようとしても頭のなかはルシウス先輩でいっぱい。話ってなんだろう、わざわざクリスマスにするような大事な話、って。でも距離をおこうと突き放されたのもまたつい最近起きた事実であるわけで、頭がこんがらがってくる。それでもルシウス先輩と踊れることを思えば自然と足元も軽くなって前よりは断絶元気な私。

「なまえ先輩」
「あーレギュラスー」
「ルシウス先輩と復縁したとか」
「あー…うーん、よくわかんないや」

みんなの前で広間から二人で出たあとは復縁したとかいう噂も出て来たようで、まぁ噂なんていうものには入学したころから嫌というほど付き纏われてきたから今更どれも大して気にしていない。それにそもそもルシウス先輩の偽彼女になることだって、くだらないゴシップ記事から始まったことだ。

「先輩の幸せはなんですか?」
「幸せ?」

言われてすぐに浮かんだのはルシウス先輩に顔を見て好きと言われたことだった。その次に浮かんだのがテスト勉強のときのこと。そうしてぽんぽんと浮かんでくるのはたいていはルシウス先輩のことだけで私にとっての幸せが何かを無意識の私に自覚させられる。

「ルシウス先輩といることかなぁー」
「そうですか。やっぱり僕はダメですね。なまえ先輩の幸せをきちんと見れていなかった」
「ん?どゆこと?」
「なまえ先輩、どうかお幸せに。でもルシウス先輩になにかされたら言ってくださいね。いつでも助けに行きますから」
「…?よくわかんないけど…ありがとう、レギュラスこそ幸せになってね」

心からの笑顔を返せばレギュラスの頬が心なしか紅くなった気がする。優しいレギュラスはきっと幸せになれるから、私じゃなくても大丈夫。私は叶わない恋をしてしまったけどレギュラスはもっと素敵な恋ができる筈だもん。

「あ、そうそう。こんなこと僕に言われなくても当たり前のことかと思いますけど――…」
「ん?」
「後悔だけはしないでくださいね」
「…そうだね」

小さく笑うレギュラスのその言葉に改めて決意を固める。私は明日ルシウス先輩に自分の思いを必ず伝える。距離を置かれたこの数週間みたいに、もう後悔はしたくないんだ。




あきゅろす。
無料HPエムペ!