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今日ルシウス先輩に会ったらどうすれば良いのか、なんて事をずっと考えていたら眠れなかった。クマが出来た顔で朝食へ向かっていると、少しまえにルシウス先輩を発見する。もう、ですか…ジーザス、それでも前を見据えてしまう私はやっぱりルシウス先輩の事が…もうよく分からなくなってきた。

「みょうじ」
「あ、おはようございますマクゴナガル先生、薬はどうでしょうか」
「良い知らせですよ、完成するそうです」
「え、えっ!本当ですか?!」
「今日の昼休みにスラグホーン先生の所へ」
「わ、わかりました!」
「良かったわね、なまえ!」

遂に遂にこの帽子もリーマスに返せるんだ!リリーに付き添いを頼んだけれど、お昼休みの次の授業のレポートがまだ完成していないらしく断られた。1人で行くのは少し怖いけどシリウス達はクィディッチの練習に行っちゃうだろうしまぁ良いか。猫耳が取れるのは素直に嬉しい、のに少し不安な私がいる。


「失礼しまーす…」
「やぁみょうじ、遅かったね。君の事だからチャイムと同時に走ってくるかと」
「あ、あはは…」

確かに昨日までの私ならそうしてたかもしれないけど、いまの私は猫耳をとったらルシウス先輩がここまで私に良くしてくれなくなるんじゃないかという不安でいっぱいなのだ、そんな現実は見たくない…でもそうしたらこの胸の痛みからは解放されるのかも…
ソファに座りごくりとスラグホーン先生が準備する姿を見つめる。

「すいません、先生。遅れました」
「あぁルシウス、もう来ないのかと思ったよ」
「え、えぇ?!ルシウス先輩?!」
「どうしても付き合いたいというからね、君達がそんなに親密な関係とは驚いた。彼女はグリフィンドールだろう?ルシウス」
「えぇ、まぁ例外もありますよ」

スラグホーン先生が笑いながら部屋の奥へと消えて行く。ルシウス先輩は昨日みたいにまた私の隣にすとんと座り、気分は?と聞いてきた。

「…ふ、複雑です」
「…そうか、何故だ?」
「せ、先輩何しに来たんですか?」
「見納めにきた、それと自分の想いを伝えにな」

ルシウス先輩は私の猫耳を弄びながら小さく笑った。緊張と寝不足でコンディション最悪の私は今にもぶっ倒れそうなのに、ルシウス先輩のその耳を撫でる優しい手つきが心地良くて目を閉じたら倒れてしまいそう。そんな事を考えていたら、先生が戻ってきて、私にゴブレットを差し出した。

「さぁ、自信作だ」
「いただき、ます…」
「どうした?なまえ」

ゴブレットを手に、ちらりとルシウス先輩を見ると思ったよりも優しい目付きで私を心配してくれているのがよく分かった。

「私に猫の耳がなくなっても、今までと変わらず接してくれますか?」
「そんな事を気にしていたのか?前から優しいだろう、お前には」

ルシウス先輩のその回答を聞き終わるか否かで、私は一気にその液体を口にした。においはなかったのにどろどろしていて、…これは非常に……まずい。そして私は倒れたのだった。




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