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次ルシウス先輩に会ったら謝らなくちゃ、でもなんて謝れば良いのかわからないし、なんて言えば良いのかもわからない。それにどんな顔すれば良いの?ルシウス先輩はなんて思ってるのかな?

「なまえってば今日ずっと難しそうな顔してる」
「ご、ごめん…」
「なにかあったの?」
「そういうわけじゃないんだけど…」

そういうわけなんだけど、こんなのどこからどう説明したら良いのか…。特にジェームズのくだりから始まる話はリリーには出来ない、あの後ジェームズはいつも通りの態度で接してくるから、リリーの事はまだちゃんと好きなんだろうし…。複雑すぎて頭がパンクしそう。

「かいつまんで話すね」
「えぇ、そうして」
「ルシウス先輩ってどう思う?」
「いじめられたの?!」
「違う違う、その逆で…助けてくれたりするから困るの!」
「助ける?グリフィンドールを?」
「そうなの、私グリフィンドールだよね?だからルシウス先輩に特別扱いされてるんじゃないかって勘違いしちゃう」

その優越感とこの胸のときめきを混同してしまってるんじゃないか、って私は一瞬考えた。でもじゃぁ、ルシウス先輩が私にだけ優しい理由はなんなんだろう、って考えたらそれはもう図々しいくらいに自分に都合良く考えてしまう私がいるわけだ。

「俺だってなまえを助けられる」
「えっ?」

後ろからした声にリリーと二人して振り返れば、そこには不機嫌そうなシリウスが。もう嫌だ、なんかこの感覚この数日でたくさん味わってる気がするんだけど、嫌な予感ほど当たるもので。

「なまえ、俺だけを見ろよ。守ってやるって言っただろ」
「ねぇーもう、冗談やめてよ!」
「俺が一番お前の事ずっと見てた、わかってんだろ」
「わかってないよっ」

シリウスが私の手を掴んで手の甲にちゅ、とキスをした。リリーはきゃあ、と小さく呟いて、もう私はどうすれば。シリウスが私の事好きなんて、ルシウス先輩が私を好きっていう妄想より実感わかないよ。もうこの猫耳がついてから良いことが全然ない、胸の痛みにも悩まされるようになっちゃったし。

「マルフォイなんて所詮お前に耳が出来てから寄って来た男だろ?」
「そ、そんなこと…」
「否定できるのか?そんな奴より俺の方が幸せにしてやれる」

シリウスの言葉が思ったよりも胸に刺さって、私の気持ちは少し揺らぐ。シリウスは間違ってないと思う、だからこそこんなに響くんだ。




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