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なまえが階段を駆け下りた時に落としていったニット帽をマルフォイ先輩が拾おうと手を伸ばしたから、その前にさっと拾った。

「…見ていたのか?ルーピン」
「たまたま通りかかっただけですよ」
「そうは思えないが」
「なまえに何をしたんですか」
「何もしていない」

マルフォイ先輩はさっきまでの甘い声とは打って変わっていつもの冷たい声でそれだけ言い放つと下の階へと消えて行った。なまえにもその態度で接すれば良いのに、彼女もグリフィンドール生だぞ、なんて少し思いながらゆっくりと階段を下りる。なまえを探しているとばったりと会う事ができた。

「なまえ、探してたんだよ」
「あ、リーマス…ごめん、帽子、いま探してたの…どこにあった?」
「良いよ、気にしないで。顔が赤いけど大丈夫?」
「…リーマス…私もうわかんないよ!どうしよう!」
「何かあったの?」

本当はなまえを探しに階段を登ったときに全部聞こえてしまった。慌てて影に隠れたけれど好奇心には勝てなくて。なまえはリーマスは誰かを好きになった事あるの?と聞いてきた。

「あるよ」
「その時どんな気持ちになったの?」
「うーん…他の何を犠牲にしてもその人を幸せにしてあげたい、だとか、ちょっと大袈裟だけどね」
「そうなんだ…そこまでではないかも、良かった」
「なまえ、恋したの?」
「え!ま、まさか…だって…」

相手はルシウス先輩だよ、となまえの口から出てくる言葉は容易に想像できたから、僕の気持ちはしまっておこう。



あきゅろす。
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