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耳が直らないまま、3日が経ち…周りからの視線にも慣れてきた頃新たな問題が私の頭を悩ませている。

「なまえ、呼ばれてるよっ」
「え?だ、だれに?」
「ハッフルパフの七年生だよー」

ハッフルパフの七年生に知り合いなどはいない、のですが…。とりあえず話を聞きに出向いてみれば、良い噂は聞かない女遊びの激しい先輩。話した事もないのに付き合いたい、ってどういうことなの!丁重にお断りして談話室へ帰るとシリウスが待ち構えていた。

「なんの話だ?」
「お付き合いしてください、って今日3回目だよ?なんなのかな?しかも年上の知らない人ばっかり!」
「猫耳が珍しいから、一回寝てみたいんだよ、上級生の間で誰が落とせるかって話題みたいだしね!」

いつの間かわたしの後ろにいたジェームズがいつもとなんら変わらない調子の笑顔でそう言った。え、どういうことですか?ドン引きなんですが。固まる私にくだらねぇ性癖、と吐き捨てるシリウス。

「え、つ、つまり?」
「まぁなまえ、それは正直見るからにエロいよ」
「耳が?」
「尻尾もね」
「き、気持ち悪い」

男の人ってどうしてそんなくだらないことで盛り上がれるのかな。溜息を吐く私を珍しくシリウスが気遣ってくれているらしい、気にすんなよと顔を至近距離で覗き込まれて不覚にもドキッとする。真剣な表情のシリウスはただのイケメンだ。

「嫌なら恋人のフリしてやろうか?」
「それは…もっと怖いよ!」
「僕も大歓迎だよなまえを守れるならね」
「2人のファンに目を付けられるほうが恐ろしいです、大丈夫です」
「そんなの気にすんなよ、守ってやるから」
「選んでなまえ、僕とシリウス、どっちが良いのさ?」

ジェームズまで珍しく真剣な顔をしてくるものだから、冗談だと分かっているのにこの夢のような状況にさすがに乙女心が反応してしまう。この2人がこんなふざけ方するのはなかなかない、から、余計に心臓が早く動く。

「え、選べない!」
「欲張りだね」
「明日までに決めとけよ」

シリウスに釘をさされて、逃げるように談話室を出た。リリーに相談しようっと!



あきゅろす。
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