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「マクゴナガル先生…」
「なんですかミス・みょうじ」
「猫の耳が…取れません!!」
半泣きの彼女の声が静かな教室に響き、グリフィンドール生の哀れみの溜息とスリザリン生の嘲笑が教室に広がっていった。なまえの頭には可愛らしいしょんぼりとうなだれた猫の耳、スカートの下からは尻尾の先が覗いているその光景はホグワーツ中の視線を集めるには十分すぎるものだった。
「なまえはいつまでこのままなの?」
「先生が原因を調べてくれてて、早ければ明日、遅ければ……っ考えたくないっ」
私は確かに成績が悪いし、どんなに頑張っても変身術は人並みだ。でもそれがこんな事態を招くなんて入学した時は思いもしなかった。隣に座ったリーマスは苦笑い。今はリーマスとリリーだけが心の拠り所だよ、シリウスもジェームズもバカにしてくるし!ピーターなんて笑堪えてるの丸分かり、いつもは一緒に呪文練習してるのに、現金な奴め。ふてくされる私の頭をリーマスがぽんぽんと撫でてくれる。
「え…?」
「気休め程度にしかならないかもだけど」
「あ…ありがとうリーマス…!」
私の頭にはグリフィンドールのニット帽が被せられていた。リーマスが部屋から持ってきてくれたらしい。こんなさりげない気遣いができるなんて、もうリーマス本当に大好き!絵本にでてくる王子様みたい。耳とは違って隠せない尻尾がスカートの下でゆらゆら嬉しそうに揺れるのが分かった。
「リーマスは本っ当に優しいね、それに比べて…」
ちらりと正面に座る2人を見るとリーマスにブーイング。なんて鬼畜なんだ、こいつらは。そのままで良いのにとか似合ってるのに、とか勝手なことを口にしている。
「似合ってるわけないじゃん!」
「そんなことないよ、なまえなら何でも可愛いさ」
「可愛いとかそういう問題じゃない!」
「耳だけ隠しても意味ねぇだろ、尻尾が丸見えなんだから」
「う…」
まぁまぁ、あんまりいじめないで、と笑うリーマスと私の帽子を取ろうと手を伸ばしてくるリーマス。早く直ってくれないと周りからの視線がいつにも増して痛いなぁ!
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