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ずっと一緒に居てくれれば良いのよ(劉尚)


「尚香殿!」





私が城に戻ると玄徳様が慌てた様子で私を迎える。
何事だろう、と馬から降り、私は玄徳様に向き合った。





「玄徳様、どうかしたの?」


「どうかしたも何も…!」





珍しく大きな声を上げた玄徳様に私が目を丸くすると、玄徳様も自分の発した声に眉を寄せて、息を深く吐くと今度は落ち着いた声色で言った。





「いや、すまない。怒鳴るつもりは無かったのだ…。ただ、」


「ただ?」





私が首を傾げ先を促すと玄徳様は少し躊躇したように口ごもって、漸く決心した様に顔を上げた。





「護衛も着けず、一人で城をでたと言うから…」


「もしかして玄徳様、心配、してくれた?」





自然に緩む頬を隠しもせずに私はそう言う。
その声が少し上擦ってしまうのは仕方がないだろう。





「呆れてしまうだろう、尚香殿。私は、尚香殿が私の見えない所に行ってしまうのが恐ろしいのだ…。ただ、町へ行くだけでも、尚香殿が居なくなってしまったらと思うと不安で」


「そんなの、玄徳様が」





私は伏せていた目を玄徳様に向けて、手を握り、続けた。









ずっと一緒に居てくれれば良いのよ














あきゅろす。
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