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TOX短編
アルジュ♀※(更紗様リク)
学パロ。

――――――――













何でこんな事になってるんだろう。
歩き慣れている筈の廊下が凄く歩き難い。
力の入らない脚を叱咤しながらいつもより何倍も長く感じる距離を何とか歩き切って、どうにか自分の席に着いた瞬間、ぴくりと肩が跳ねた。

「ん…っ」

これは只の異物感だ。
空白である筈の場所に、何故か埋め込まれた物の感触が気になるだけ。
只其処に在るだけで、本来の用途と言うか目的と言うか、な動きは無いのが救いだが。
どちらにせよ、理不尽だ。

「ジュード、顔赤いよ。熱有る?風邪?」

俯いたまま異物感に耐えていた僕の後頭部に、明るい声が掛けられる。
ぽんぽんって頭を撫でられて顔を上げると、熱を持った頬を指の背で撫でられた。
心配そうな緑の目で顔を覗き込まれて、酷くばつの悪い気分になる。
僕の顔が赤いのは、心配して貰える様な理由じゃ無い。
いや、そもそも理由なんか言える筈も無い。

「大丈夫だよレイア。何でも無いから」
「えー、ジュード嘘吐くからなぁ」
「本当だから。ほら授業始まっちゃう、席戻って」
「…辛かったら言ってね。保健室にキョーセーレンコーするから」

食い下がるレイアに手を振って、席に戻らせる。
授業が始まるまでもう時間が無い、僕も教科書出したり準備しないと。
机の中を見ようと上半身を屈めて、また、異物感に肩を跳ねさせる。
…全く、何で僕がこんな目に。

「おらー席着けー。遅刻扱いにすんぞー」
「きりーつ!」

授業開始のチャイムと同時に、清潔な白衣には似合わないぼさぼさ頭が教室のドアを開けて入って来る。
眼鏡の奥の瞳が愉しげに歪んで、立ち上がりのタイミングを遅らせた僕を見ていた。














『マティスさんの事ずっと好きだったんだ。付き合ってくれない?』
『え、…あの…』
『マティスさんさ、クレイン先輩と付き合ってるって噂有るけど、あれ本当?』
『ち、違うよ!僕なんかクレイン先輩に…』
『只の噂なんだ、良かった。じゃあさ、良いよね?』

「…アルヴィン、これ」
「良く撮れてるだろ?」

擦れ違い様腕を引かれて、人気の無い特別教室に連れ込まれて。
いきなり携帯の画面を突き付けられたと思ったら、そこには僕が映ってた。
つい先程、顔も名前もうっすら覚えが有るくらいの男子に、裏庭に呼び出された時の事。
構図が俯瞰だから、多分2階とかから撮ったんだろう。

『でも、僕は』
『付き合ってる人いないんでしょ?オレの事嫌い?』
『……』

「話した事も無い様な相手に、嫌いもクソも無いよな普通」
「ちゃんと断ったよ」
「断ったのは知ってる。この後にも撮って有るし」
「…でも怒ってるよね」
「流石俺のジュード。俺の事解ってるんだな」

嫌でも解るよ、笑顔がわざとらしく鮮やかだもん。
ずっとポケットに突っ込んである右手も何か怪しい。

「俺以外から告白されるな。って言うかそもそも俺以外の男と2人きりになるな」
「…無茶苦茶言う」
「無茶でも守れよ。俺のものだろ、お前。って訳で」

お仕置きな、そう言ってアルヴィンは、僕の腕を掴んだ。
力が強くて振り解けない。
ポケットに突っ込まれていた手を引き抜いたと思ったら、その手は楕円形の何かと四角い何かを持っていた。

「さ、ジュード」

嫌な予感しかしない。
鮮やかを通り越してきらびやかな笑顔が、とても怖いものに感じた。

「パンツ脱いでそこ座れ」















「じゃーこの問題、前に出て答え書いて貰おうかね」

あの白衣はチョークの粉から衣服を守る為だとか、前にそんな事を言っていた気がする。
チョークや黒板消しを乱雑に扱わず、もっと丁寧に使えば、そんなに粉の被害は無いのに。
…なんて、いつもの僕なら彼を見ながら考えたのだろうけど。

「はぁっ、ぁ…、……ん…ぅ」

今の僕はそれ所じゃ無い。
異物感と言って誤魔化していたそれが、授業が始まってから本来の目的に沿って動き始めたからだ。
アルヴィンが左手をポケットに突っ込む度、強さやらタイミングやらを変えるそれ。
ほんの小さなモーター音だが、隣や前後の席まで聞こえたらどうするつもりなんだ。
いやモーター音なんかより、躰を震わせながら荒い息を吐く僕自身を怪しまれたら。

「問1ディノイア、問2オスロー、問3マイナード。この3問は簡単だから誰でも解るだろ。問4はちょっと難しいからー…ラーモア行ってみるか?」

涼しい顔で、黒板に書いた問題に生徒を割り当てていくアルヴィン。
僕はこんなに苦しいのに。
大体何で僕がこんな目に遭わなきゃいけないんだ、告白だって不可抗力みたいなものなのに。
涙の滲む瞳で睨み付けてやると、酷く愉しそうなウインクが返された。
…正直殴りたい。

「問5は難問だから、優等生マティスちゃんにお願いしようかな」
「…!」
「ほらマティス、こっち」

こっち、って。
立って歩いて考えて書けというのか、今の僕に。
座っているだけで精一杯、どころか限界寸前の僕に。

「っ…、ン」

無理に決まってるでしょ、なんて言える状況では勿論無く、僕は持てる全ての力を振り絞って立ち上がった。
姿勢が変われば当たる場所も変わる、そしてそういうタイミングでアルヴィンは左手をポケットに突っ込むのだ。
度々膝が崩れそうになるが何とか、本当に何とか耐えて、黒板の前に辿り着く。
問5と書かれた直ぐ横に立つアルヴィンのその澄まし顔、今すぐにでもぐちゃぐちゃにしてやりたい。

「ひ、ぁっ…?」
「…くくっ」

チョークを持って黒板に向き直った瞬間、今までで最強の振動が襲った。
油断していた訳では無いのに、声が抑え切れずに洩れる。
慌てて手で口を塞ぐと、アルヴィンの笑い声が聞こえた。

「ぅ、んっ…んん、…ふ、ぁ」
「んー?どうしたマティス、手が止まってるぞ」
「やめ、…止めて、ぇ」
「解らないか?優等生には楽勝だと思ったんだけどな」
「……ひゃぁっ…!」

どうしよう、まずい、これ。
脚ががくがくするし、顔もどんどん熱くなるし、もう駄目。
縋る様にアルヴィンを見ても、にやにやがもっと深くなるだけで助けてなんかくれない。
結局1文字も書けないまま、僕は床にへたり込んだ。

「ジュード!?」

レイアの声が聞こえたけど、応える余裕なんか無くて。
しゃがんで顔を覗き込んで来たアルヴィンに、たすけて、と小さく言った。

「…限界?」

囁く声も、絶対わざとだが熱い吐息と一緒に耳元で。
その息にさえ反応してしまう僕は、もう楽になる事しか考えられなかった。
震える指で白衣の袖を掴むと、アルヴィンはますます笑みを深くして。
そして僕の、背中と脚の下に腕を通して立ち上がった。

「お前らこの後自習しといてくれ。俺はマティスを保健室に連れて行く」
「先生、わたしも行く!」
「自習っつったろロランド。言う事聞かねーと単位やらねぇぞ」

キョーセーレンコーすると言っていたレイアも付き添いを買って出てくれたけど、アルヴィンがそれを一蹴する。
振り返り様見えた教室内はざわついていて、あぁ皆に迷惑を掛けてしまった。
特にレイアには悪い事をした気分だ。
僅かに動かせた手で、レイアに向かって手を振る。
大丈夫、ごめんね、有難う。
ちゃんと伝わっていれば良いなと、ぼんやり考えた。

教室のドアが閉まる音を、何処か遠くの音みたいに感じた。















「も、アル、…ヴィンっ!取ってよぉ…あぁん!」
「だぁって、ジュード気持ち良いんだろ?」
「いや、もういやぁ…、あっ、はぅぅっ」

保健室は無人だった。
いつも此所にいる筈のイスラ先生は、この時間はたまたま職員室で仕事らしい。
…本当にたまたまかなんて、きっと訊くだけ無駄だ。
あれーイスラいねぇのかー、あの声の適当さが全てを物語っていたから。

「やぁぁん、…もっと、奥っ…」
「奥に欲しいの?ジュードはホント、えっちだな」
「違…、奥に、入ってる…から、ぁっ」
「はは、すげぇぐちょぐちょ」
「ひぁ…!」

ベッドに俯せにされ、腰だけ高く上げた僕の下半身は、何にも遮られずアルヴィンの前に晒されている。
スカートは捲られているし、下着は膝まで下げられた。
アルヴィンの指が其処を拡げて、アルヴィンの舌が其処を這う。
浅い処ばかりに触れるその愛撫が、今僕が求めるものとは違うのを解っている癖に。
アルヴィン曰く“僕のイイ処”に当たる様にと、奥深くまで埋め込んだ癖に。

「も、や…、やだぁ、っやぁ…!」
「あらら、泣いちゃった。…反省したか?」

反省なんて、何に対してすれば良いのか全く解らない。
解らないが、ごめんなさいと言わなければきっと終らない。
そう結論付けて頷き、謝罪を口にすると、アルヴィンは僕の剥き出しの尻に口付けた。
その感触さえ、辛い。
…解っていてやっているのだろうけど。

「いい子だ」
「あ…!うぁぁ、だめぇ!」
「我慢しろって。奥に有るから、取るの難しいんだよ」

長い指が一気に侵入し、楕円形のものを掴もうと蠢く。
取るのが難しいって?
難しい様な場所に設置したのは自分なのに、よくそんな事が言える。
長い長い体感時間の後引き抜かれた指には、ぬめった液体に濡れたピンク色の何かが摘ままれていた。

「はい取れた。有難うは?」
「…言うと、思うの…」
「ああ。言わなきゃ酷くされる事くらい解ってるだろうからな」
「……。ありがと…アルヴィン」
「どういたしまして。じゃあ優しくしてやろうな」
「んっ、ぁ…!」

ぬるぬるした場所に、ぬるぬるしたものが擦り付けられる感触。
それが何かなんて訊くまでも無い。
只、ぬるぬるしてるって事は、避妊とか考えて無いって事で。

「あ、アルヴィン、ゴム…」
「お仕置きだから。大丈夫だろ、どうせいつかは孕むんだし?」
「そういう問題じゃ無…っ、ひぅ、あぁ…!」

あぁもう、馬鹿。
いつかは孕むと言っても、どう考えたって中学生のうちから孕む訳にいかないだろう。
大人の癖にそういうとこ考え無しなんだから。

「集中、しろ、よっ!」
「あっ、ぁ…、ふ、あんっ」
「2人きり禁止、だからな。次やったら、放送室で公開生放送だぞ」

有り得ない事だけど、アルヴィンならやりかねない。
そんな恐ろしい事になって堪るかと、僕は必死で頷いた。

今後男子からの呼び出しは無視しよう。
どうせ告白されたって、僕はアルヴィンのものなのだから。














愛情表現?行き過ぎだけど許してあげよう













(…まさかホントに保健室でやるとは思わなかったわ)
(清潔だし、授業中は人来ないしな。意外と良いぜ)
(私の職場をラブホ扱いしないでくれない?)













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更紗様リク、やきもちアルヴィンがローター仕込んで何やかや(適当←)です。
…裏…頑張りましたが如何でしょうか…ぬるいですね…orz←
イスラ先生友情出演です。

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あきゅろす。
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