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温度差。
好きな人2
  
「なんで?」
 いきなりな質問を不思議に思って訊く。

「――館野君…」
 学人?
「恋人なのかなって思ってた」

 …………

「ちっ、違うし!!」
 真面目な表情の先生に全力で否定する。
「僕偏見ないけど?」
 否定するボクの態度を『男同士なのに』って取ったのか、先生は言ってくる。

「……た、確かにボクは学人のこと好きだったケド、でも今はいい友達だしっ!!」
「好き……だった?」
 『だった』を強調して先生が聞き返してくる。

「――――今は…違うの?」
 何でボクこんな尋問みたいなめにあってるんだろ…
 そう思いながらもコクコクと頷く。
「今は好きな人はいないの?」


 好きな人。


 そう言われて思い浮かぶ顔に、また苦しい気持ちになる。
「いるよ。けど失恋しちゃった」

 あぁ、なんか自分の女々しさが嫌になってくる。

「諦めようって思ってるのにな」

 なのにどうして、どんどん想いが強くなってくんだろう。




 慧から連絡が来なくなった。

 理由は知ってる。学人が『ごめん。余計なことしたかも知れない』って話してくれたから。

 その時は少しほっとした。
 これでもう着信のたびに苦しい気持ちにならなくてすむって。

 でも

(寂しいって思ってる)
 そう感じたとき、自分が期待していた事に気付いてショックだった。

 ボクは慧に必要とされてるって思えて嬉しかったんだ。


 例えそれがセフレとしてでも。



    

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あきゅろす。
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