温度差。 セフレ?or恋人?4 「…………本気って…俺が?」 「うん」 そうなんじゃないの? と優(スグル)は返す。 「その人の事ばっか考えてるって、かなり好きか嫌いかのどっちかだと思う」 好きか嫌いかで問われたら、間違なく好きだ。 でも、 「よくわかんねぇ」 そもそもそういう対象になるのかも謎。 恋愛感情の好き? 俺が? 「お前は……?」 「ん?」 「『その人の事ばっか考えてる』って状況なった事あんの」 優が誰かに執着するのは想像付かないな。 「………さぁ?」 「あるのか」 こいつはないならきっぱり否定する。 それくらいは察せるくらいの仲だ。 「……あるよ」 「…………」 優の表情に、思わず目を奪われる。 いつも大抵笑顔だけど、こんな風に幸せそうに表情を崩す優ははじめて見た。余程相手の事が好きなんだろう。 「俺だけに笑ってくれればいいのに。って想う子」 なんだそれは。 「………恥ずかしい奴」 「よく言われる」 それでも幸せそうに笑う優が、なんだか少し羨ましく感じた。 人を好きになるのは、そんなに幸せなんだろうか。 [*←back][next→#] |