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はつこい2
――キス、したい?
ヒロと別れた後、部屋に帰って抜いた。
想像の中のヒロは例の咳もせず積極的だった。最初はあの挑発的な眼で俺を睨みつけ抵抗したが、最後には自ら腰を振って笑ってみせた。いつものほつれめから零れるような控えめな魅力が全面に押し出され、堪らなくセクシーだった。
過去にテツがつくったような、俺のための遊園地をつくる。いままでそれ以外にさして興味が無かった。なんだ、求めていた刺激はこんなに近くに転がっていたのか。
テツは特別な才能、耐え難い魅力を持っていたそうだ。
「まるで蜜のようだった」
彼を知る人間は言う。そのテツに魅入られた平凡な弟。いや、彼は忌まわしい因子を確実に受け継いでいる。思い出して唇を撫でる。あの時、腐りかけの果実のような強烈な芳香が鼻をくすぐったのだ。
この学園に、お前の周りにまた悲劇が起こる。押川リカでさえ巻き込まれているのかもしれない。
(けど、アレはずっと俺のものだったし)
渡さない。
愛してる。
俺の下で惨めに足掻くおまえをずっと見ていたいのだ。
end
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