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お題部屋
大胆すぎて2
「待ってて下さい。直ぐに片づけますから。」
ペーターが双子に攻撃をしたり、仕掛けられ受け流し言う台詞に慌てて頭を左右に振る。
「片づけなくて良いっ止めて止めてっお願いっペーター」
もの凄い動きを繰り出す三人。
でもペーターは私を庇う様に背を向けている、逃げたい衝動堪えペーターの背に抱きついた。
「二人もっ止めなさいっ止めないと怒るわっ」
自分で言っておいて何だが、効果が無さそうな台詞だったが、三人は動きを止めた。
「アリス…よりによって、止めてなんて、お願いしないで下さい。こいつらは、敵ですよ」
ペーターが銃を構えたまま、小さくため息を吐いて言う。
「敵だけど、別にあんた達に僕ら用は無いんだよね」
「そうそう、僕ら、お姉さんに会いに来たんだし」
ねー。と双子が言えば、ペーターが二人に銃口を向ける。
「アリスと僕の、お茶会を邪魔するだけで万死に値します。」
「だからっ、お願いだからっ止めっ」
大声出し、ムセそうになる。
ペーターに抱きついて止めたまま、二人の方へ顔を向けた。
「それにしても…どうしたの二人共?一応、敵地なんだから、危ないわよ。」
双子は強い。
分かってはいるが、城に隠れる事なく来て無事かは、分からない。
「お姉さんと、遊ぶ約束してたのに来てくれないから、迎えに来たんだ。」
「具合が悪いなら、お見舞いしようと思って。」
双子の、にこにこ笑いながら言われた返事に瞬く。
「え?してた?……」
した覚えは、無い気もする。
が、本当に約束してたなら二人は私を心配して来てくれたのだ。
「ペーター…二人が来たの、私のせいみたいだし…、帰る様に言うから…」
見逃してくれ。
と言うのは、甘い願いだと分かっているが。
自分のせいで、二人が死んだり傷つくのはイヤだ。
背中に腕を回し、身体傾ぎペーターを見つめる。
私を見つめるペーターと目が合った。
「いたぞ!侵入者だっ」
兵士達の声に、腰に回した腕に力が籠もる。
「……今度、デートして下さいね」
ペーターが小さくため息つき、私の腕を優しく剥がし兵士達の方へ向かい出した。
「ふ、二人共、こっち」
座り込みたくなる衝動堪え、両手延ばし双子の手を握る。
声が聞こえ無い方から、門へと向かい走り出す。
「お姉さん、あれ位の数なら僕ら殺せるよ」
「うん。問題無いよ」
両脇に来た二人が無邪気に言い、眉を寄せる。
「ダメ。ペーターが兵士を違う方に向かわせてるから、大人しく城から出て。」
歩き慣れた庭。
兵士が大体通る道も分かってる。
案の定、門の前は死体が転がってたが、見ないフリをして通り過ぎた。
「…約束、破ったのは悪かったけど…危なすぎるわよ二人共…」
城を離れ、歩調緩めると息を荒くしつつ双子を見る。
けろりとした様子で隣を歩く二人が、あっさり返事した。
「だって、お姉さんに会いたかったから」
「今度は、お姉さんの部屋も見てみたいな、僕ら」
ニコニコと言われ、今度こそ脱力感にしゃがみ込む。
「何で、そう…大胆不敵…大胆過ぎるわよ…」
ぐったり疲れた声になり、しゃがみ込んだ私に双子も同じ様に、しゃがみ込んで来た。
「だって、お姉さんに会いたいから」
「うん。僕ら、お姉さん大好きだし」
にこやかに言われ、へたり込む。
「……有り難う…でも、予告無しに城に来るのは勘弁して…」
息も絶え絶えに答えた。


end
勿論、双子との約束なんてのは二人の嘘です(笑)

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あきゅろす。
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