お題部屋 A血にぬれて1 ザクッ ザシュッ 運良くなのか、運悪くなのか、僕らが勤勉に仕事している時に敵が来た。 「わっ、ハネた」 兄弟の顔へ、斬り裂いた敵の血飛沫が付く。 「終わったら、お姉さん誘ってお風呂にしようよ。兄弟」 「そうだね。沢山やっつけてボスにも、お姉さんにも誉めて貰おう」 ノンキに話、最後の一人まで息の根を止める。 「「呆気ないなぁ」」 二人同時に呟けば、門が内側から開く。 目を遣ると、お姉さんが歩いて出て来て 「うげ」とか言って立ち止まった。 「お姉さんだ。」 「見て見て、お姉さん僕ら敵を沢山殺したんだっ」 パタパタ近寄る僕らに、お姉さんは青ざめる。 「死体を掴んで来ないっ!斧ってか…二人共血まみれで来ないっ」 勘弁してっ。 と情けない声で言われ、死体は離す。 でも、斧は離さないし、血塗れでお姉さんに飛びつく。 「……っ!」 ビクつくお姉さんに、死体なんか無いみたいに笑顔を向けた。 「頑張ったんだよ。僕ら、えらい?えらい?」 「お姉さん、お風呂一緒に行こう?頭、洗って欲しいな」 ぐりぐり、頬やら頭を抱きついたお姉さんに擦り寄せる。 「……私まで、血まみれだし…」 僕らの服とは違う、淡い色のワンピースに白いエプロンが赤くなる。 [前へ][次へ] [戻る] |