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ハトアリ.クロアリ小話
ある日のデート おまけ
「…結局は、お主は双子のモノと言う話なのか?」
お茶に招待されて、ビバルディと二人
紅茶を飲めば呆れた口調で問われる。
「う…違う……わない」
身も心も、私は私だけのモノで。
それは、間違いが無いんだけど…
双子と一緒にいる間
彼等が私を好きだと言ってる間
お金と有休より大事と言ってくれてる間だけは
私の気持ちと身体は、少しだけ彼等のモノでもいい。
そう思ってしまったのだ…
「ノロケ話か…不幸な話の方が好みなんじゃがな…」
顔を赤くする私に、紅茶を飲みながらビバルディが言う。
「ご…ごめん。じゃあ…不幸な目に合ったら教えに来る」
「そうじゃな。そしたら妾が、お主を不幸にした相手の首をはねるから…」
楽しみに待っておるよ。
言われた台詞に慌てて頭を左右に振る。
「やっぱり教えない」
「ケチじゃのう…」
「ケチで結構。
あ、じゃあビバルディのノロケも聞く」
それでどう?
と見つめれば、艶やかに笑みを向けられた。
「甘さも苦さも妾だけの物じゃ。
他人になぞ話さぬ
全て妾の中にのみ残す物。」
静かに言われた台詞と容姿に見惚れる。
「…大人よね…私も頑張ろう」
「お主は、そのままで良かろう。
あの小僧共は、そこが良いのだろうし」楽しそうに言われ、う。と詰まる。
「でも、出来れば変わりたい…
少しずつで良いから」
真剣な顔になり、カップを両手で握り締める。
「小僧共は、そのままで良いと言うかもしれぬぞ?」
「…それでも。」
カップ握る手の甲に、彼女の指が触れた。
目を向ければ、女王らしくない柔らかな笑みを見せられる。
「では、小僧共がそう言えば…
その時は、妾が二人の首をはねてあげよう」
「だ、ダメダメっ
絶対ダメよ。」
慌てて頭を振る。
好きな人。
好きだった人。
死んで欲しいなんて思わない。
「大丈夫。
変わっても、好きって言ってくれるわ…
きっと。」
真面目な顔で言ったのに
面白くなさそうな顔をされる。
「何じゃ、結局ノロケか…」
ため息つかれ、また顔が赤くなる。
「ご、ごめん…」
相当、頭に血が上ってる。
自分が、こんな風になるなんて
二人と付き合うまで、思わなかった。
紅茶を口にしながら、早く帰って
今日もディーとダムと御飯を食べよう。
そんな事を考えた。



end

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あきゅろす。
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