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ハトアリ.クロアリ小話
ある日のデート2
「…どっから見てたのよ…」
「屋敷を出た辺りじゃ」
気づけば、ちゃっかり椅子へ座りビバルディがパフェを食べてる。
「最初からじゃないの…」
ぐったり言えば。あっさりと、そうとも言うの。
と返される。
「アリス、これは中々いけるぞ。
ほれ、あーん」
暢気に言われ、ぱかっと口を開けてしまうのは
常日頃から、双子にされて癖になったんだろうか…
口の中に入ったクリームを食べ、何だか不安になる。
…双子は、と言えばペーターと撃ち合いをしてた…
「僕がっ連れて来た可愛いアリスに手を出すなんてッ」
「連れて来てくれて、ありがとっ」
「その一点だけは、お礼を言うよっ
でも、お姉さんは僕等のだからねっ」
キィン、ドンッドンッ
派手な音を立て、銃弾や斧が飛び交う。
「アリスは、アリスの物に決まっておろうに…」
「全くだわ…」
私は、私の物で誰の物でも無い。
好きと愛してると言ってくれる双子。
見えない気持ちを、預けてはいるが。
その気持ちも私の物だ。
「僕等の物は、僕等の物。お姉さんは僕等の物だよっ」
「白ウサギなんかに、やらないよ」
…待て。
「私の物は、私の物に決まってるでしょっ」
聞き捨てならない台詞に、拳握り立ち上がる。

双子とペーターの動きが止まる。
「お姉さんの物は、お姉さんのだよ?」
不思議そうに言われ、瞬いてしまう。
「僕等の物は、お姉さんが欲しいなら…
特別にあげるけど」
秘蔵の斧とかパクパクくんとか欲しい?
と、聞かれ左右に頭を振る。
「いらないなら、僕等の物は僕等兄弟の物。」
そこに異論は無い。
「それで、お姉さんは僕等の物」
「待て待て……私の物は…ん?」
片手で制するも動きが止まる。
「お姉さんの物は、お姉さんの物だよ」
「でも、お姉さんは僕等の物。」
にこにこと笑う双子。
立ち上がった私の左右に立ち、ぎゅーぎゅー抱きついて来る
「他の誰にも、あげない。僕等兄弟の物だよ」
「僕等は、お姉さんの物だからね」
「あ゛ーっ雑菌だらけの手でっ
アリスに抱きつくなんてっ」
…何か、恥ずかしくも良い気分だったのがペーターの声に邪魔をされてしまった…
「煩いな白ウサギ」
「お姉さん、デートの続きしよう?」
両手を握られ、いつもの様に引かれ
走り出す。
「店員さんっ
お勘定は、あの白ウサギが払うからっ」
「もしくは、ケバいおばさん」
カフェから抜けつつ双子が店員に声を掛ける。
誰が、おばさんじゃ。
と、ビバルディの不機嫌そうな声が聞こえる。

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あきゅろす。
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