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ハトアリ.クロアリ小話
ある日のデート1
デート。
と言うには、語弊がある気もするけど…
今日も双子に引っ張られ、一緒に出かけてる最中だったりする。
…とは言え、罠を見に行ったり兵士に追っかけられたり…
と、個人的にデートとは程遠い感じがするけど。
二人は楽しそうだ。
「…一休み、させて?」
はふ、と息を吐く。
双子と付き合って、間違い無く体力は付いて来た気がするけど…
ディーとダムの体力は、桁外れだ。
「疲れちゃった?お姉さん」
「いいよ。じゃあ……」
二人が視線合わせ、僅かに間を置くと私の手を引き歩き出す。
「カフェに行こう?美味しそうなケーキ見つけたんだ」
「お姉さんには、僕等が奢ってあげるよ」
「カフェ?え、いいけど…珍しいわね」
楽しそうな二人に、手を引かれ歩き出す。
まぁ、希望通り休ませて貰えるなら異存は無い

「はい、お姉さん。あーん」
「こっちも美味しいよ」
…異存は、あった。
テーブルに並ぶ、パフェやケーキ。
天気も良いカフェは、お客も結構いるが。
私達の周りだけは、いない。
ちょっと、居たたまれない…
まぁ仕方無い事では、あるけど。
「…食べ切れないわよ?そんなに」
ちなみに、何故かフォークやスプーンを持たせて貰えず。
ひっじょーに恥ずかしいが

口を開けて食べさせて貰う。
と言うバカップル丸出しの状態だったりする…
「あ…」
「あ、ごめんね。お姉さん零しちゃった」
口に運んで貰うプリンが、ずれて唇の端に付く。
双子の顔が寄せられ、ペロリと同時に舐められて身体が固まる。

「僕のアリスにっ何て事をするんですかーッ」
「お主のでは、なかろう…」
ガサガサと植え込みから音がして、ペーターとビバルディが顔を出す。
「ぺっペーター?ビバルディ?!」
「…何だ、白ウサギとケバいおばさんか…」
「誰かと思ったら…炙り出すまでも、無かったね兄弟」

「え?炙り出す?」
「ああ、アリスこんな双子に舐められたりして…今すぐ僕が消毒してあげますからっ」
双子の言葉に瞬いてれば、ペーターが私の手を握り顔を寄せて来る。
「ちょっ…ペーター?」
「何するのさ、変態白ウサギ」
「お姉さんは、僕らのだよ。
勝手に触るな」
シャリン、と
ペーターと私の間に斧が入り込む。
「君たちみたいな雑菌と付き合う、アリスの消毒です。
可哀想なアリス…
変な罠を見に行かされたり、兵士に追われたり…
あ、アリスを追いかけた兵士達は、後で殺しておきますから。」
ペーターが斧を気にした風なく、手を握ったまま返す。

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あきゅろす。
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