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ハトアリ.クロアリ小話
花2
「ご、ごめんね。お姉さん」
「大丈夫?」
心配そうな二人に、拳骨をする。
「手加減してってば…
お風呂で、溺死なんか嫌よ」
けほ、と咳をして言えば、大人しく謝って来る
二人が私の髪に飾った花。
湯船から手に持ち眺め、ヒョイと二人の頭に飾る。
「ディーとダムの方が似合うわよ
罰として、今日一日コレ付けててね」
にっこり笑い言う。
「ええ?!花付けて歩くの?」
「冗談だよね?お姉さん」
獣耳を付ける時より、遙かに嫌がっている。
まぁ、そうだろうな。とは思うけど
許す気は無い。
「あら、溺死させられかけたのに
冗談なんか言わないわ」
にっこり笑い
はい。と花の茎を双子の耳上へ引っかけ手を離す。
うん、可愛い。
「うわー僕ら、門番なんだよ?お姉さん」
「獣耳なら、ともかく花は…」
頭から花を生やした人
ってのは見ない。
から、装飾品として本人の意志で概ね付けた事に、なるんだろう
「可愛いわよ」
「…嬉しくないよ、お姉さん」
「大浴場では、気をつけるから…」
二人は、花を付けて仕事したくなさに必死だ。
「ブラッドは、薔薇付けてるわよ?」
「ボスは好きで付けてるんだって」
「薔薇が好きなんだよ。きっと。」
僕らは、身に付ける程好きじゃない。
「…ワガママね、二人共…」
小さく息を吐く。


「…やっぱり花は、お姉さんのが似合う…」
今日も仕事で門の前に立つ。
ものすごく、ものすごく頑張って
頭に花は許して貰ったんだけど。
胸ポケットに花を飾られた。
…花が似合う服じゃ無いから違和感がある。
僕らが飾った花。
「今度からお姉さんの片側に、一つずつ飾ろう」
「そうだね。そうしたら喧嘩しないし」
髪に花を飾った、お姉さん。を想像する。
僕らは、自主的に休憩時間にすると
今日、お姉さんを飾る為の花を採りに行った。




end

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あきゅろす。
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